研究課題/領域番号 |
18K02328
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
片岡 洋子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80226018)
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研究分担者 |
瓦林 亜希子 都留文科大学, 教養学部, 准教授 (10780249)
山田 綾 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (50174701)
佐藤 隆 都留文科大学, 教養学部, 教授 (70225960)
LEROUX Brendan 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (80610203)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フレネ教育 / 中等教育 / 学習の個別化 / 学習の協同 |
研究実績の概要 |
フレネ教育実験プログラムのCLEF10周年記念行事が、2018年5月にラ・シオタ市のジャン・ジョレス中学校を会場に開催された。2013年から継続的に訪問調査をし研究交流をしてきた我々研究グループは、CLEFの試みについて日本の研究者の立場から記念シンポジウムにおいてコメントをするように予め求められていたため、コメントを準備して参加した。シンポジウムほか記念行事においては、フランス国内の研究者やCLEFの教員、生徒、卒業生、保護者などの発表をとおして、フランスの中等教育の現状分析と課題についての情報や知見を得ることができた。 また、同じ2018年5月に、マルセイユのロンシャン中学校で始まったフレネ教育(CCEF)を視察できた。CCEFは、CLEFに6年間参加していた地歴の教員が、2017年9月にマルセイユのロンシャン中学校に戻り、フレネ教育を実践したい教員を集めて、フレネ教育のクラス設置を実現して始めたものである。そのスタートから2年目の状況を訪問調査で参観した。 ロンシャン中学でのフレネクラス(CCEF)はどのようにして実現したのか、その背景にあるフランスの教育改革や管理職の判断等、フレネクラスの生徒はどのように振り分けたのか等について、管理職や教員から直接話を聞くことができた。また、保護者と生徒に集まってもらい、フレネ教育をどのように受け止めているかインタビューすることができた。 帰国後に、訪問調査を振り返り、地歴を中心に授業を記録したビデオを見ながら分析するための討議をおこなってきた。そうしたなかで、公立中学校に実験的に設置されている点では共通だとしても、CLEFとCCEFにはいくつかの重要な違いがあることもわかってきたため、2019年5月に、CLEFとCCEFの実践校を訪問し必要な情報を得てくる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フレネ教育の中等教育での実験的教育プログラムが、ラ・シオタのCLEFだけでなく、マルセイユのCCEFでも行われていることがわかり、新たな進展を見ることができている。 同じフレネ教育の中等教育での展開ではあるが、クラスの生徒を選抜するCLEFに対して、生徒や保護者の意思にかかわらずランダムに生徒をフレネクラスに振り分けるCCEFなどの違いもあり、フレネ教育の柔軟性など研究のまとめに向けて、新たな視点も得られている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年4月29日-30日にCLEF、5月2日-3日にCCEFの授業参観および教員とのディスカッションを予定している。また5月1日には、CLEFの卒業生家族を訪問してインタビューを行い、5月4日にはフレネ教育の研修を参観することにしている。 同じように公立中学校に設置されたフレネクラスでもCLEFとCCEFにはいくつかの違いがある。何がどのように違っているのか、その理由は何かを明らかにするための情報を得てくることにしている。 これをもって現地調査は終え、研究のまとめと報告のための論文を執筆し、検討を重ねていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年5月の海外調査に、研究協力者の2名(高校教員)が勤務の関係で参加できなかったため、旅費が残った。また、2019年4月末から5月初めに彼らも含めた追加の調査の見通しができた。それらの旅費や謝金等に支出するために、2018年度の支出を抑え、繰り越した。
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