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2018 年度 実施状況報告書

大学における学習支援者の省察を通した能力開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K02335
研究機関追手門学院大学

研究代表者

清水 栄子  追手門学院大学, 基盤教育機構, 准教授 (10760275)

研究分担者 中井 俊樹  愛媛大学, 教育・学生支援機構, 教授 (30303598)
山崎 その  京都外国語大学, 総合企画室, 室長 (70449502)
岸岡 奈津子  立命館大学, 学生部・OIC学生オフィス, 職員 (30757927)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード履修指導 / 学習相談 / 能力開発
研究実績の概要

本研究の目的は、学習支援者による実践の省察を通して、支援に対する共通する考え方や行動基準のモデル化とSDなどによる能力開発にある。そのために、学習支援の実践および学習支援者に求められている能力と能力開発の実態を明らかにする必要がある。
2018年度は、国内における学習支援の具体的な内容および学習支援者の担う役割や能力開発を中心に情報収集を行った。特に履修指導および学習相談を中心として、学会等におけるラウンドテーブルおよび研究会(2回)の開催により、学習支援者や参加者と意見交換を行った。実践事例として取り上げたのは、愛媛大学、金沢大学、昭和女子大学、創価大学、明星大学、立命館大学、テンプル大学ジャパンキャンパス計7大学(うち米国1大学)である。学習支援者として、教員、職員、学生が支援に取り組んでいる。教員には、学習支援を専任に担当する者も含まれている。
議論の中で、実践上の課題として、学生の主体性を向上させるための取り組み、未然予防を視野に入れた学生支援体制の構築、学習支援者の能力開発など明らかにされた。学習支援者の能力開発に関しては、学生には研修が課されている場合が多く、他方教職員に関しては、職場におけるOJTによるところが大きい。
これらの議論において、学習支援者の能力開発に関する論点を整理した。具体的には人材育成論に基づいて(1)学習支援担当者にはそもそも能力開発が必要なのか、(2)学習支援担当者の能力開発の目的は何なのか、(3)学習支援担当者の能力開発はどのように進められるべきなのか、(4)学習支援の主体として教員、職員、専門職、学生のそれぞれの強みと弱みは何か、という4つの課題について現状と課題を明らかにした。
米国専門職団体による能力開発については、求められる能力・スキルについて文献調査により、ポスター発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画においては、2018年度に米国の学習支援に関連する専門職団体を訪問し、学習支援者の能力開発にかかわる特徴と課題を明らかにする予定であった。しかし、2018年8月末で愛媛大学を退職し、2018年9月より追手門学院大学において勤務することになった。そのため研究環境を整えるのに時間を要し、当初予定としていた米国の専門職団体への訪問調査の準備が整わなかった。

今後の研究の推進方策

(1)2019年度は、昨年度の情報収集を基に、学習支援のうち、特に履修指導、学習相談、教科指導に関して、以下のような国内外での情報収集をさらに行う予定である。
2018年度に予定していた米国の学習支援に関わる専門職団体への訪問調査を行い、学習支援の実態および能力開発の現状と課題を明らかにすることを目指す。訪問先として、学生の目標設定とその達成を主に履修指導の面から支援するアカデミック・アドバイジングの専門職団体である全国アカデミック・アドバイジング協会(NACADA)、学生支援の専門職団体であるアメリカ大学学生担当者協会(ACPA)もしくは全国学生担当管理職員協会(NASPA)の年次大会に参加することを予定している。可能であれば、カリフォルニア大学バークレー校など数大学を訪問し、個別大学における学習支援者に対する能力開発の実態と課題について明らかにする予定である。
日本における実践の現状および学習支援者の能力開発について訪問調査を行う。訪問調査先として、創価大学、国際基督教大学、名桜大学、金沢大学などを予定している。
(2)米国および国内での情報収集を基に、履修指導、学習相談、教科指導に共通する考え方や行動、職制(教員、職員、専門職)別の経験や特徴などを明らかにする。これらの整理とともに、省察を用いた能力開発プログラムの開発を試行する。

次年度使用額が生じた理由

2018年度予定していた米国調査を実施することができなかった。2019年度は、当初予定していた米国の専門職団体および国内の個別大学への訪問調査や研究会の開催、参加によって、情報収集や意見交換に努めていく。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (12件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 高等教育学を専門とする教員は何をすべきなのか2019

    • 著者名/発表者名
      中井 俊樹
    • 雑誌名

      名古屋高等教育研究

      巻: 19 ページ: 49-59

  • [雑誌論文] Student Success Program における支援の現状と課題2019

    • 著者名/発表者名
      石田明菜・長谷川祥子・岸岡奈津子
    • 雑誌名

      立命館高等教育研究

      巻: 18 ページ: 75-86

  • [雑誌論文] アカデミック・アドバイジング 実践者に対する能力開発の観点から2019

    • 著者名/発表者名
      清水栄子・山﨑めぐみ・御厨まり子・島田敬久
    • 雑誌名

      大学教育学会誌

      巻: 40(2) ページ: 103-106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学におけるインスティチューショナル・リサーチ (IR) に関する論点の整理2018

    • 著者名/発表者名
      中井 俊樹
    • 雑誌名

      薬学教育

      巻: 2 ページ: 1-4

    • DOI

      10.24489/jjphe.2018-010

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 初期キャリア教員の教育支援2018

    • 著者名/発表者名
      中井 俊樹
    • 雑誌名

      IDE現代の高等教育

      巻: 603 ページ: 39-43

  • [雑誌論文] 「小規模大学のIRに関するマネジメント―管理職の立場から―」2018

    • 著者名/発表者名
      山﨑その
    • 雑誌名

      大学行政管理学会誌

      巻: 22 ページ: 66-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 階層分析法を用いた大学改革の現状2018

    • 著者名/発表者名
      伊多波良雄・太田浩・山﨑その・宮嶋恒二
    • 雑誌名

      経済学論叢

      巻: 70 ページ: 1-34

  • [学会発表] 主体的な学生を育成するための学修支援 ―立命館大学におけるStudent Success Programの取組―2019

    • 著者名/発表者名
      長田勝・長谷川祥子・加藤慶彦・柳瀬圭志・下井康弘・渡邉あい子・石田明菜・岸岡奈津子
    • 学会等名
      大学教育研究フォーラム
  • [学会発表] 京都外国語大学のIRについて2019

    • 著者名/発表者名
      山﨑その・西出崇・西村政洋
    • 学会等名
      浪商学園研修
  • [学会発表] 学生エンゲージメントと自立を促す支援としかけ~アカデミック・アドバイジングの場合~2019

    • 著者名/発表者名
      清水栄子
    • 学会等名
      第24回FDフォーラム
  • [学会発表] 学習支援担当者の能力開発の現状と課題―教員・学生・専門職を事例として―2019

    • 著者名/発表者名
      清水栄子・ 岸岡奈津子・山﨑その・井原奉明・竹中喜一・井上咲希・中野正俊・中井俊樹
    • 学会等名
      第25回大学教育研究フォーラム参加者企画者セッション
  • [学会発表] ピアレビューによる教育効果・改善に関する考察 ―全教員を対象とした大学の事例をもとに―2018

    • 著者名/発表者名
      岸岡奈津子・藤本祥之・秦敬治
    • 学会等名
      大学教育学会
  • [学会発表] SSP(Student Success Program)による入学前後の継続的な正課・課外の両立支援2018

    • 著者名/発表者名
      渡邉あい子・石田明菜・岸岡奈津子・長田勝
    • 学会等名
      初年次教育学会
  • [学会発表] アクティブラーニングの学習成果を評価する2018

    • 著者名/発表者名
      中井俊樹・服部律子
    • 学会等名
      日本看護学教育学会第28回学術集会
  • [学会発表] 大学経営における生産性・効率性変化の状況及びその要因について2018

    • 著者名/発表者名
      山﨑その・伊多波良雄・太田浩
    • 学会等名
      大学行政管理学会第22回大会
  • [学会発表] ラウンドテーブル  アカデミック・アドバイジング-実践者の能力開発の観点から-2018

    • 著者名/発表者名
      清水栄子・山﨑めぐみ・御厨まり子・島田敬久・岸岡奈津子・秦敬冶
    • 学会等名
      大学教育学会第40回大会
  • [学会発表] 学習支援担当者に求められる能力・スキルとは -米国専門職団体を事例として-2018

    • 著者名/発表者名
      清水栄子・山﨑その・岸岡奈津子・中井俊樹
    • 学会等名
      四国地区大学教職員能力開発ネットワークSPODフォーラム2018
  • [学会発表] 日本の大学におけるStaff Developmentの論点と課題2018

    • 著者名/発表者名
      竹中喜一・上畠洋祐・清水栄子・中井俊樹
    • 学会等名
      四国地区大学教職員能力開発ネットワークSPODフォーラム2018
  • [学会発表] Current Situation and Challenges on Academic Advising in Japan2018

    • 著者名/発表者名
      清水栄子
    • 学会等名
      千葉大学アカデミック・リンク・センタークローズドセッション
  • [図書] アクティブラーニングの活用2018

    • 著者名/発表者名
      中井 俊樹
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4260036467

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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