研究課題
本研究の目的は、「教育学のメタ理論体系」を精緻化すると共に、これに基づいた実践理論群を構築・展開することにある。令和2年度は、このメタ理論体系をほぼ完成するに至り、令和3年度に『学問としての教育学』として日本評論社より出版見込みである。加えて、令和2年度は特に新型コロナウィルスによる問題で教育界が大きく揺れ動いたことを受けて、本研究に照らして今後の学校教育や教育学のあるべき姿を具体的に示す研究も多数行った。そもそも何のための教育かという、これまでの研究で明らかにしてきた哲学原理(公教育=教育学の構想指針原理)をベースに、これからの学校や教育学はどうあるべきか、複数の著書や論文等で提示した。特に、これまでの研究で示してきた「学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合」への「学びの構造転換」をはじめ、「市民社会の土台としての公教育」の具体的あり方を提起することで、全国の多くの自治体や学校等において、その「構造転換」に向けて共同での実践的研究及び実践活動を活発化させた。その成果は、論文「そもそも学校とは何かーwithコロナを契機とした教育転換の方向性」や「ウィズコロナのなかでの公教育の役割 」、また共著書『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』や『教育委員会が本気出したらスゴかった。 ーコロナ禍に2週間でオンライン授業を実現した熊本市の奇跡』等への寄稿等で発表してきた。
1: 当初の計画以上に進展している
当初考えていた「教育学のメタ理論体系」の意義が、コロナ下における教育界の混乱を契機にいっそう深く自覚され、理論的展開が飛躍的になされたため。
教育学のメタ理論体系が、当初の予想より深化した形で提起できる見込みとなったため、今年度は予定を早めて、教育学諸領域への展開を進めたいと考えている。
新型コロナウィルスのため出張が全てキャンセルとなったため。今年度の予算は当初計画通り使用する。
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世界思想
巻: 48 ページ: 56-59
世界の児童と母性
巻: 89 ページ: 12-16
教育研究
巻: 1421 ページ: 14-17
発達
巻: 164 ページ: 46-51
The 26th Princeton Japanese Pedagogy Forum PROCEEDINGS 2020
巻: 2020 ページ: 301-309