キャリア定着とともにリーダーシップ能力向上、社会的役割の促進、学区の改善効果をねらいとして、現職教育長、特に新任教育長の職能成長の機会が図られてきたが、通常は教育長免許状の更新・上進制と連結して大学での単位取得や州・学区主催の研修会を連結している。その際、州・学区主催の研修会は、教育長の自主参加のもとAASAの州支部と連携して実施される場合は多い。 ただし、マサチューセッツ州、テキサス州、ケンタッキー州のインダクションは新任教育長の免許資格との関りでの義務的な職能開発プログラムである。 この点、ケンタッキー州が画期的な試みと評されるのは、“次世代リーダーシップシリーズ”というインダクションプログラムが体系的に構造化されている点である。特に、新任教育長の個別学習計画(ILP)をサポートするため、主としてエグゼクティブリーダーシップコーチ、メンター教育長、教育委員会リエゾンから成るILPチームの協働的役割があげられる。また、新任教育長の学区改善計画、新たな学区課題を踏まえた年間スケジュールに基づく専門学習(14項目)などの個別学習計画のパフォーマンス状況について、ケンタッキー州独自のリーダーシップに焦点化した7つの有効性基準(戦略的、指導的、文化的、人事、管理面、協働的、影響力)に基づき、新任教育長が自己評価を行い、自身のパフォーマンスのエビデンスを提供する点にある。新任教育長によるインダクション満足度は非常に高い。
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