研究課題/領域番号 |
18K02344
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
渡辺 敏 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (90739559)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幼児教育 / 図形教育 / 対称 |
研究実績の概要 |
本年度はコロナウイルスの影響もあり幼稚園、保育園での観察や実際に指導を行うことができなかった。そのため2019年度に行った実践データを新たな視点でまとめた。具体的には幼児がポリドロン(幾何学玩具)で遊ぶ際に、4歳児は面と面をつなげる辺の長さを気にせずに接合するのに対し、5歳児は同じ長さの辺を接合するといった発達的な傾向が見られた。また、5歳児は同じ辺の長さの三角形をつないでコマを作り遊ぶ姿が見られた。このコマを作る際に幼児は面の色を規則的に並べ色の変化を楽しむ姿が見られた。このような規則的に違う色を並べてその美しさを見いだす姿は対称性の芽生えであることが考察される。この分析結果はEECERA(Europian Early Childhood Education Society Association )に論文として投稿し受理された。2022年度の大会で発表予定である。 また、小学校1年生の幾何学玩具遊びを観察するためにポリドロンを購入し、日野市内の公立小学校に設置していただきその様子を継続観察している。空間認知の教材の一つであるペーパーフォールディングは、対称性を子どもが見いだしやすい教材である。この教材を幼児から小学校1年生にかけてどのように理解されるのかについても研究を行った。具体的には日野市内の公立小学校6年生にペーパーフォールディングの授業を行い、その様子をビデオカメラとデジタルカメラで録画し、子どもたちの理解の過程を論文として記録した。また、関連する論文や教科書を購入し理論的な背景についても研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年に保育園での空間認知を育てる幾何学玩具遊びに関する分析を行えた。ここでの実践からドキュメンテーションが子どもたちの遊びを上達させることに有効であることが分かった。この結果を踏まえ、幼稚園または、保育園の先生とドキュメンテーションを用いた実践を計画、実施したいと考えているが、コロナの影響もあり協働での実践を受け入れてもらえない期間が続いている。このため本研究はやや遅れた実施内容となっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は再度、幼稚園化保育園の先生とドキュメンテーションを用いた実践を計画、実施したいと考えている。また、それが難しい場合は小学校1年生での幾何学玩具を用いた遊びを担任の先生と協働で実践したいと考えている。また、空間認知に関わりの深い対称性については、2020年度の小学校6年生での実際の指導を先行研究として参照しながら、論文にまとめたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響があり、2021年度に計画していた幼稚園の先生と協働して行う幾何学玩具を用いた保育観察を次年度に行うため、その調査費用に充てる。
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