本研究は2022年度に最終年度を迎えた。本研究の全期間を通じてオルタナティブ教育の代表格として知られるシュタイナー教育における教員養成の実態解明を試みた。 今年度はインタビュー調査を通じて、シュタイナー学校の教師たちのライフヒストリーを明らかにしたのち、彼らがどのようなプロセスを経てこの学校の教師となったのか、教員養成段階における経験についての聞き取り調査を行った。 インタビューにおいては、さらに、シュタイナー学校の教師たちがどのような教育観・子ども観をもち、何を大切にしながら子どもたちと関わっているのか、その内実を解き明かし教師たちに土台を与えている共通の基盤を明らかにした。またシュタイナー学校の教師の仕事の醍醐味と困難について浮き彫りにさせた。 調査にあたっては日本全国のシュタイナー学校の教壇に立つ、22名の現役教師にインタビューを行った。シュタイナー学校の教員になりたての方からキャリア30年近くの方まで教員歴はさまざまで若手からベテランまで幅広く話を聞いた。 日本シュタイナー学校協会会員の全日制シュタイナー学校は、学校法人のシュタイナー学校(北海道シュタイナー学園いずみの学校、シュタイナー学園)とNPO法人のシュタイナー学校(東京賢治シュタイナー学校、横浜シュタイナー学園、愛知シュタイナー学園、京田辺シュタイナー学校、福岡シュタイナー学園)があるが、これら7校のシュタイナー学校に在籍する教師に加えて、2022年度に開講した沖縄シュタイナー学園の教師にも話をうかがった。
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