研究課題/領域番号 |
18K02349
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
藤井 啓之 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (70253044)
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研究分担者 |
高橋 英児 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40324173)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 価値教育 / 民主主義 / 教育課程外活動 / 学校外活動 / 教科横断的な価値教育 / 移民・難民 / 参加による学び |
研究実績の概要 |
本年度、バイエルン州の価値教育に関する州政府・学校・財団などのプレーヤーの個々の活動の変遷、それらの連携について調査した。価値教育重視の主要因は州文部大臣(CSU、保守政党)の関心にある。政治主導と捉えられるが、州政府文書、ISB文書、関連財団文書等、州憲法の内容に依拠することが強調され、民主主義を中心に据えている。政治主導は財政や研究・実践推進のみであり、内容に立ち入ったものではない。州の価値教育の取り組みは2008年度に遡るが2010年からバイエルン価値同盟が結成され、ISBもここに結集している。2015年には価値同盟財団が組織され、設立予算として250万ユーロ予算が配分され、その後、財団が独力で企業・団体等からの寄付を募って独立運営している。寄付は規約に基づいて行われている。価値同盟財団は、生徒や教師向けの様々なプロジェクトを企画・運営しており、学校外活動、教育課程外活動の任意参加活動を運営しているが、一部学校単位の活動も担っている。活動への参加者が価値の拡散者となることを期待している。ISBは学校と教育に関する州立の研究所。価値教育部門がある。当初はWerteerziehungと掲げていたが近年はWertebildungに変わっている。それは生徒の教え込むのではなく、生徒が体験から実感するものでなければならないという理念による。近年、持続可能な開発などの教科横断的な価値教育のプロジェクトであるレールプラン・プラスに取り組んでいる。8.9年生を対象にして価値大使(価値推進役)の育成にも取り組んでいる。移民・難民問題なども含めて相互文化理解をベースにしたドイツ語クラス(移行クラス)の授業などの参観も複数回行った。また、善行財団による特別支援学校と協働した「参加による学び」の二つのとりくみについても調査も行った。
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