研究課題/領域番号 |
18K02350
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
添田 祥史 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80531087)
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研究分担者 |
森 実 大阪教育大学, 教職教育研究センター, 教授 (10174385)
新矢 麻紀子 大阪産業大学, 国際学部, 教授 (70389203)
長岡 智寿子 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (20738273)
金 侖貞 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (40464557)
肥後 耕生 豊岡短期大学, その他部局等, 講師(移行) (00791196)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 基礎教育 / 識字 / 韓国 / 文解教育 / 識字運動 / 夜間中学 / 地域日本語教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、東アジア先進国における基礎教育保障モデルの構築をめざした日韓比較研究である。日韓基礎教育共同プロジェクト(https://asia-net.jasbel.org/project)に研究面で並走するものとして、3ケ年計画で進めてきた。 その成果として、2冊のブックレット(『日本における識字・成人基礎教育の展開と課題』、『韓国における識字・基礎教育の展開と課題』)を作成・公開することができた。このブックレットは、それぞれ日本語版と韓国語版がある。また、日韓の学習者による合宿型のワークショップでの交流から生まれた『日韓識字学習者共同宣言』は日本語と韓国語に加えて、英語版も発表した。日韓の特徴的な教材を翻訳し、解題を付して公開した。これらの成果のいくつかは、大阪教育大学『はばたくために』(増補版)にも再録している。 日韓基礎教育共同プロジェクトは、2020年1月に全ての事業を終了した。当初案では、本年度は、補足調査を行いつつ、その成果をまとめる予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、調査研究作業が休止せざるを得なくなった。加えて、オンライン授業への対応など予想しないエフォートが発生し、思うような取り組みができない状況が続いた。 そうした厳しい状況であったが、これまでの蓄積や成果から合計13本の新たな研究業績を生み出すことができた。本科研のメンバーが中心となって、日韓基礎教育共同プロジェクトの成果と展望に関する報告論文をまとめた他、韓国における識字能力観や学歴認定制度などの重要な知見に関する論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、国内や韓国での補足調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
本科研を1年間延長したが、コロナ禍の収束の目途は立たない状況が続いている。そこで補足調査は、電話やオンライン等で行うことを基本とする。 与えられた時間と予算を有効に活用するために、日韓基礎教育共同プロジェクトを牽引してきた本科研のメンバーと韓国側の主要な関係者でオンライン会議を開催し、今後の方針を協議する。コロナ禍の識字現場の影響や対応についての日韓シンポジウムの開催をめざす。その内容は、まとめて原稿化し、WEB上にも公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、訪問調査ができなかったことに加えて、科研メンバーも所属先のオンライン授業への対応等の想定していなかったエフォートが発生したため研究の時間が大きく制約されたから。
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