1997年以降、政府による人権教育政策が展開されてきたが、人権教育がほぼ「人権のための教育」の観点からのみ論じられており、一面的である。また、人権認識の内容も「人間尊重の精神の涵養」といったレベルにとどめられている。 本研究は、政府の人権教育政策では欠落している「人権として教育」という観点から人権教育を捉えることを重視した。この観点から人権認識の内容とその形成過程を検討したもので、子どもの社会認識・人間認識・生活認識の形成と人権認識の形成が密接に関連していること、社会認識の形成過程と並行して人権認識も形成されることを明らかにした。
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