研究課題/領域番号 |
18K02357
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
貞廣 斎子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80361400)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 社会的経済的配分システム / 社会的公正 / ウェルビーオング / データ駆動型教育政策 / マイクロ・ポリティクス / マクロ・ポリティクス |
研究実績の概要 |
2020年度は、社会的経済的背景に配慮した教育資源の傾斜的配分(社会的経済的配分システム)について、イギリスとスウェーデンをフィールドに、実際の各学校での運用実態と効果を調査する予定であったが、コロナ禍のために渡航ができず、且つそれそれの学校も休校等になったとから、オンラインの調査も実施できないため、研究は予定した様には進まなかった。そこで、3つの側面から研究を進展させた。 第一は、スウェーデンの社会的経済的配分システムについて、①社会経済的背景の差異への配慮という観点に加え、②投入と成果の連動による効果検証、③データの整備と活用、④透明性を担保した明確な配分式等の観点を、先行研究の知見も踏まえて理論的に整理した上で、スウェーデンの実際の制度を検討した、同知見を基に、社会的公正に資する教育制度を支え得る教育資源配分システムの再構築について、考察を行い、論文にまとめた。 第二は、コロナ禍もしくはニューノーマルの状況下における教育システムの実際と課題について、①履修主義の問い直し、②多様な教育方式・教育供給主体の包摂、③マジックワードの今後-「個別最適化」の矮小化は回避できるか-、④市場化と適切につきあう、⑤教育方法とカリキュラムマネジメントのデジタル・トランスフォーメーション、⑥「学びの継続」の格差が見せたもの等の観点から整理し、社会的公正に寄与する公教育への視座と社会経済的配分システムについて、考察し、論文にまとめた。 第三に、上記の様な新たなシステムを民主的手続きで練り上げることの可能性を問い直すため、審議会システムによる政策立案を巡る今日的状況を、政治と民主主義の形態との関係性から再考察し、論文にまとめた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、イギリスとスウェーデンをフィールドに、実際の各学校での運用実態と効果を調査する予定であったが、コロナ禍のために渡航ができず、且つそれそれの学校も休校等になったとから、オンラインの調査も実施できないため、研究は予定した様には進まなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度も渡航がかなう状況ではないため、オンラインでの調査実施に向けて、調整を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、予定していた海外フィールド調査と国際学会発表を延期せざるをえなかったため。
|