本研究は、現代の教育資源の調達、負担/分担、公的教育資源の配分を対象とした定量的・定性的な実証研究である。その問題意識の核心は、社会的公正の実現や教育をめぐる諸課題を見据えた際に、現在の教育資源に関わる制度・構造・動態がどのように評価され得るのかという点にある。 検証の結果、今後の資源配分の方向性として、第一に、均等な条件整備原則を脱すること、すなわちもしくは適用範囲を限定すること、第二に、就学義務以外の在り方を前提とした配分システムを組み込むこと等を導出した。 更に、政策規範の観点からは、一つの制度に複数の価値・規範が反映されたりする在り方を検証した上で、重なりあう合意の導入を提案した。
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