研究課題/領域番号 |
18K02373
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
山田 真紀 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (30329643)
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研究分担者 |
林 尚示 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10322124)
添田 晴雄 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30244627)
京免 徹雄 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (30611925)
杉田 洋 國學院大學, 人間開発学部, 教授 (70390581)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 特別活動 / 新しい日本型教育モデル / 未来志向型コンピテンシー / 日本の学校のエスノグラフィ / TOKKATSUの海外輸出 |
研究実績の概要 |
3年目は次の3つの研究を進めた。(1)未来志向型コンピテンシー(例えば非認知的能力や社会情動的スキルなど)と特別活動が育む資質・能力との関係性を明らかにする。(2)新しい日本型教育モデルとしてのTOKKATSUを世界に向けて発信するとともに、世界からのニーズや評価を合わせ鏡とすることで特別活動が学校教育や人間形成に果たす役割を再定義する。(3)カリキュラム論のなかに特別活動を理論的に位置づけるとともに、次期学習指導要領改訂に向けて、学習指導要領における特別活動の位置づけや特別活動に含まれる諸活動の再構造化を図る。 特に(2)については、日本の学校教育を研究対象とする外国人研究者は特別活動をどう描いてきたかという視点から研究を進め、外国人研究者による日本の学校教育のエスノグラフィは、特別活動を主なターゲットとしていなくとも、多くのページを特別活動の意味と機能に費やしていること、特別活動は集団との望ましい関わり方を教える活動であり、「集団の構成員との人間関係の構築」と「集団の価値の内面化」の2つのプロセスを含むこと 、内発的動機付け・リーダーシップと役割活動・班活動・振り返りという4つのメカニズムを持つことが固有の特色であることを明らかにし、その成果を2本の学術論文として公刊することができた。 (1)と(2)については、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響もあり、研究が遅れたため、現在も研究を継続中である。科研を1年延長して、2021年度に研究成果をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、2020年度前半は研究会を開催することができず、対面での議論やインタビュー調査が不可欠であった上記の(1)と(3)の研究が滞った。2020年度後半より、オンライン会議システムを用いて、研究会やインタビュー調査を再開させため、2021年度前半には調査と分析を終了し、2021年後半には研究の総まとめを完了できる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
(1)の研究として、「新しい日本型教育モデルとしてのTOKKATSU」としてぜひ世界に紹介したい特別活動のコンテンツを英文で作成するとともに、その活動と未来志向型コンピテンシーとの関連性を分かりやすく記述する。そして現在、日本型教育モデルを用いて新しい学校づくりをしているオーストラリアやイギリスの学校に助言をする。 (2)の研究として、日本の学校教育と特別活動の理念を紹介する優れた文献のうち、翻訳されていないキャサリン・ルイス氏のEducating Hearts and Minds: Reflections on Japanese Preschool and Elementary Educationを翻訳し、出版する。 (3)の研究について、学習指導要領「特別活動」の再構造化のために、特別活動に精通する研究者と実践家にインタビューして、アイディアを募る。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大のため、研究会の開催およびインタビュー調査ができず研究活動が滞ったため。2021年度に研究を延長して、研究活動を継続できるように、研究費を繰り越したい。
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