研究課題/領域番号 |
18K02375
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
林 隆紀 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20264806)
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研究分担者 |
長谷川 精一 相愛大学, 人文学部, 教授 (40269824)
奥野 浩之 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (80552067)
沼田 潤 相愛大学, 人文学部, 准教授 (40735289)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | シチズンシップ / 大気汚染問題 / 公害運動の経緯 / SDGs / 知識と議論深度の相関 / e-ラーニングコンテンツ / 環境共生社会 |
研究実績の概要 |
本研究は、主体的な市民となるべき次世代の若者に対する高等教育プログラム開発を目的としている。その目的遂行のために専門を異にする研究者の知見を結集し、多角的な視点を包含したe-ラーニングコンテンツを作成し、その教育効果を調べることを目指して研究協力を行ってきた。当初の予定では3年の研究遂行期間を計画し、関係機関への調査研究、学習教材への落とし込み、ならびにその教育効果の検討を行うはずであったが、2020年からのコロナ禍の影響により、ターゲット地域へのフィールドワーク調査のみならず、研究者間の相互連絡に大幅な制限がかかってしまい、研究期間の延長や手法の抜本的な見直しなどを余儀なくされた。その中において、代表研究者の所属する大学における担当授業を中心に、前提知識の有無による相互議論の達成度の検討や誤った情報に基づいた判断の妥当性についての調査を行った。またコロナ禍の混乱の中で始めざるを得なかったオンライン学習であるが、2年を経過する中で、教員、学生ともそのシステムへの順化も進んだため、これを利用したアクティブラーニングを本研究のパイロットとして位置付けた試みなども行ってきた。一方、全員そろっての調査研究の実施は断念せざるを得なかったが、代表者単独でコロナ禍が小康状態の時期に注意を払いながら北九州市への第二次現地調査を行い、過去の振り返り学習だけではなく、未来へ向けた歩みを実践している各施設への訪問や資料収集などを行った。そして昨年度末にはようやく共同研究者の分担をまとめ、一つの成果となるe-ラーニングコンテンツの完成を見ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年初頭からのコロナ禍による研究活動、大学対面教育の大幅制限により、遂行に不可欠な調査、フィードバック、研究会などが予定通り行えなかったことが一番の原因である。これからも2019年以前の自由な形での研究活動や授業などが全面解禁となるとは考えられないが、社会全体で少しずつ行動制限緩和が進んでいるので、工夫をしながら本研究をまとめていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
まずは当初の主目的の一つであったe-ラーニングコンテンツが2022年3月に完成したので、それを用いて学習効果への影響を前期授業期間を利用して検証する予定である。具体的には関連授業において学生への説明を十分にしたうえで研究授業への協力承諾を得、e-ラーニングコンテンツ学習前後の議論深度の比較考察を実施する。またパイロット研究として、一部の学生にはより深い形での協力依頼を行い、コンテンツ内容の統一性や分野別の理解度の濃淡などに関する知見を得るとともに、学習意欲向上に必要な条件を見つけ出すための情報を見出したいと考えている。申請当初に目論んでいた体験学習(外部フィールドワーク)との相乗効果の検証については現時点では見通しが立たないが、「新たな生活様式」に即した形での体験学習のあり方の研究の芽を見つけられないか、継続して研究、協議を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コンテンツ作成がずれ込んでしまったため、その作成にかかる経費を繰り越して使用する必要が生じた。さらにこのコンテンツ完成以降の実証実験ならびに調査等、それらにかかる費用を残りの経費から執行する予定である。
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