研究課題/領域番号 |
18K02381
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯田 直弘 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (80578063)
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研究分担者 |
細尾 萌子 立命館大学, 文学部, 准教授 (70633808)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外国・国際資格の認証・評価 / 大学入学者選抜 / 国際比較 / NIC / ENIC-NARIC |
研究実績の概要 |
本研究は、イギリス、フランス、韓国、日本の大学入学者選抜に焦点を当て、制度の並置比較と大学のケース・スタディに基づき、国内外の多様な資格の認証の特質と課題を解明することを目的とする。以上の成果に基づき、日本における外国・国際資格の認証(情報提供)機関の役割・機能と各大学の入学者選抜方法について提言を行う。 2018年度は、7月と1月に研究会を開催し、各国(英・仏・韓)の外国・国際資格の認証機関及び大学のアドミッションの特徴に関する報告を行った。その後、調査項目について検討し、2019年3月にイギリスとフランスで現地調査を行った。まず、イギリス調査では、7大学を訪問し、アドミッション・オフィス並びにインターナショナル・オフィスの職員への半構造化インタビューを行った。次に、フランス調査(調査費用については大学入試センターからも支出)では、ENIC-NARICフランスと高等教育省を訪問し、職員への半構造化インタビューを行った。 現地調査の結果は次のとおりである。まず、イギリス調査では、各大学が入学要件・選抜基準を決定する際、外国・国際資格の認証機関であるUK NARICの情報を補助的に用いるだけでなく、競争相手の大学の入学要件、UCASが公表する情報なども参考にしていることなどが明らかとなった。次に、フランス調査では、ENIC-NARICフランスの認証する資格が中等教育段階のアカデミック資格だけではなく、職業資格や高等教育段階の資格も対象とすること、所定の規準にしたがい10段階で認証すること、認証する上での課題などが明らかとなった。また、新しい入学制度である高等教育進路選択システム(Parcoursup)の運用実態について情報収集した。 以上の研究成果を発信するために、「国家・分野横断型資格枠組みに基づく入学者選抜に関する研究会(ACQUA)」を立ち上げ、ホームページを公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、イギリスにおいて大学調査を実施できた。また、フランスにおいて外国・国際資格の認証機関や省庁の調査も実施できた。なお、国内大学調査は、検討の結果、次年度実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究成果に基づき研究分担者及び研究協力者と学会発表を行い、その後フランスと韓国の現地調査及び国内大学調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
外国調査の際、調査者の所属機関の旅費規程にしたがい、他の用務とあわせて出張申請したことから、本科研による支出額が予定よりも少なくなり、次年度使用額が生じた。また、国内調査を次年度実施としたことも関係している。次年度は、より大きな成果を上げるために、国内及び外国における調査の日程・実施者数を適宜柔軟に調整する。
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