研究課題/領域番号 |
18K02381
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯田 直弘 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (80578063)
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研究分担者 |
細尾 萌子 立命館大学, 文学部, 准教授 (70633808)
田中 光晴 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, フェロー (00583155)
花井 渉 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60783107)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 外国・国際資格の承認・評価 / 大学入学者選抜 / 国際比較 / FCE / NIC / ENIC-NARIC |
研究実績の概要 |
本研究は、イギリス、フランス、韓国、日本の大学入学者選抜に焦点を当て、制度の並置比較と大学のケース・スタディに基づき、国内外の多様な資格の承認の特質と課題を明らかにすることを目的とする。国や地域を横断する資格・能力承認の枠組みに基づく入学者選抜方法の開発は、グローバル化が進む日本の高等教育において喫緊の課題であり、高等教育の質保証につながる。 最終年度は、イギリスの大学のアドミッションの特徴・課題と、国内外の多種多様な資格の承認・評価の方法についてまとめた。また、フランスの高大接続と接続評価について、大学や社会が求める能力が確実にバカロレアで問われており、大学への接続に至るまでの過程で評価の妥当性が確保されている点を明らかにした。さらに、日本の高大接続改革における大学入学者選抜の課題と今後の展望について考察するとともに、国際入試の現状と課題について事例研究を行った。以上の研究成果は、図書(分担執筆)、雑誌論文、報告書などのかたちで発表した。 次に、インタビュー調査については、韓国の2つの大学の入試課職員、語学堂(韓国語教育機関)担当者、国立国際教育院の職員にインタビュー(オンライン、現地)を行った。また、イギリス現地では、国内外の資格情報の収集・分析・提供を行うECCTIS主催の会議に参加し、参加者と意見交換を行った。 最後に、国際比較の観点から分析・考察を進めた。その結果、多様な背景の志願者を受け入れる方向性や国内情報センター(NIC)の設置については共通するものの、高等教育の市場化が進んだイギリス、国内市場を中心とするフランス、同じ東アジアの国でも高等教育及び大学入学者選抜の制度と実態の異なる韓国と日本の間には、NICの役割・機能、資格の承認・評価の方法と入学後の質保証、留学生の受け入れに対する目的意識や積極性などの点において多くの相違点が存在することが明らかとなった。
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備考 |
田中光晴「尹錫悦新政権発足と高等教育分野の国政課題」『IDE現代の高等教育』No. 645、pp. 64-68、2022年11月。 花井渉「イギリスの高大接続システムとその公平性をめぐる論議」『2020年代を通じて実現すべき高大連携-生徒・学生が「持続可能な社会の創り手」となるために-』、第20回高大連携教育フォーラム報告集、京都高大連携研究協議会、pp. 147-156、2023年3月。
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