研究課題/領域番号 |
18K02386
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
吉谷 武志 東京学芸大学, 国際教育センター, 教授 (60182747)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 包摂的市民性教育 / 排他的国民教育 / 教員養成 / 欧州審議会 / 多様性 |
研究実績の概要 |
本研究課題に関連する研究大会(NECE:Networking European Citizenship Education、NECE Conference 2018, Brave New Worlds?! The Future of Democracy and Citizenship Education, 6-9 September 2018)に参加し、マルセイユ市における移民支援NPOの活動、市民性教育に関するワークショップを実体験し、欧州における移民支援活動に関する具体的で、かつ最先端の課題について理解を深めた。 また、欧州審議会(The Council of Europe、ストラスブール)のPestalozzi事務局を訪問し、このプログラムの責任者であるJ.フーバー氏らにインタビューを行い、欧州審議会の先導する包摂的市民性教育、異文化間教育に関わる理論的課題を確認すると共に、欧州審議会におけるこの分野の関係資料を収集した。 また、10月には、ドイツ連邦政治教育センターへの訪問調査、資料収集を行うとともに、デュッセルドルフでの移民支援NGOの指導員(シュミット氏)に対して、移民支援に携わる教員研修プログラムに関するインタビュー調査、さらにブレーメン大学教授カラカソグルー氏への訪問・インタビューを行い、ドイツにおける新しい市民性教育に関する理論的到達点を確認し、研究資料の収集を行った。 初年度の調査研究では、こうした訪問調査、資料収集により、市民性教育等に関するヨーロッパ地区での最新の知見を得、同時に多くの貴重な資料を収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初から予定していた、包摂的市民性教育に関する研究者、国際機関(欧州審議会・欧州評議会、Council of Europe)、ドイツ政治教育センター等への訪問、資料収集を行うことができたこと、さらに当該分野の研究員、大学所属の研究者へのインタビュー調査、研究交流を実施することにより順調に資料収集ができている。 また、文献資料だけで無く、国際機関や大学で作成されている資料、報告書等、出版によらない研究資料の入手も進んでおり、研究テーマである市民性教育の資料が調いつつある。 さらに、研究テーマに関連するワークショップや研究会に実際に参加できたことで、実践家の持っている課題意識、具体的な事例を収集することができていることは、現地調査の成功の故であると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には計画段階で予定していた研究を進めていくことで成果が得られると考えている。 すなわち、初年度として、基礎資料や知見の収集が順調に進んでいることから、引き続き、関連する国際機関や研究機関を訪問し、当該分野の最先端の動きを確認し、新しい知見を見いだすために資料の補充を行う。 また、この間に培ってきた研究者とのネットワークを活かして、知見の革新、資料の収集を行う。 また、海外の事例を集めるだけで無く、関連分野の研究団体の主催する研究大会に参加し、研究発表を行うなどして知見の交流を行い、日本社会の市民性教育、教員養成に関連、示唆を得ることのできる知見を深めるよう試みる。
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