研究実績の概要 |
本研究課題にかかわる市民性教育について、ヨーロッパにおける研究状況について、関連学会の年次研究大会、「欧州教育学会」(European Education Research Association, ECER 2019,“Education in An Era of Risk”, University of Hamburg)及び「国際異文化間教育学会」(International Association of Intercultural Education, International Conference Another Brick in the Wall: Transformating Educatuion, Amsterdam, 2019."に参加し、最先端の研究状況に触れ、関連研究者と交流することができた。 また、欧州審議会の「欧州現代言語センター」(The Council of Europe, European Centre of Modern Language, Graz)を訪問し、異文化間教育実践、共通言語教育政策、さらに同地で欧州審議会の教員養成、研究プロジェクトの元責任者とのインタビューを行うなど、言語教育や異文化間教育をも含む、欧州の市民性教育の各学校での実践状況についての具体的な情報を得、あわせて資料も収集した。 以上の研究により、日本の現実とは異なり、移民の定着により、多様な子どもたちが多数存在する中で行われる欧州の教育においては、現在、そして将来においても、言語や宗教、生活習慣等をはじめとする「文化的多様性」を前提とする新たな市民像を元に市民性教育が構想されており、そこでの包摂的な市民性教育のあり方が模索されていることが明らかになってきた。 引き続き各種の情報収集とその分析を行う予定である。
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