研究課題/領域番号 |
18K02389
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科, 教授 (50211983)
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研究分担者 |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70301306)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | トランスナショナル高等教育 / 海外分校 / 英語プログラム / 中国語プログラム / 国際通信学位 |
研究実績の概要 |
本年度は非英語圏におけるトランスナショナル高等教育の展開背景とその市場競争に注目して研究を推進した。国際的アカデミックマーケットにおいて不利な立場にある非英語圏の国々の国際展開メカニズムについて、東欧諸国、東南アジア諸国、東アジア諸国を中心に事例研究を行った。 具体的には2019年5月に東欧諸国の中でもルーマニアのルーマニア・アメリカン大学、ブカレスト大学、ブルガリアのソフィア大学を訪問して、英語圏のトランスナショナルプログラムの現状とその市場メカニズムについて調査した。また11月にはマレーシアの新紀元学院に中国語のプログラムをトランスナショナルで提供している、台湾の樹徳化学技術大学(孝雄史)と彰化師範大学(彰化市)を訪問し、中国大陸との高等教育市場の競合において、台湾がどのような面で大陸に比較優位にあるかについて考察を行った。 続いて、2月には中東アフリカのイスラーム圏におけるトランスナショナル高等教育の事例として、アブダビに海外キャンパスを持つ、モロッコのアブドル5世大学の訪問、3月には日本の立命館大学が共同プログラムを展開しようとしている中国の大連理工大学の訪問調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、渡航自粛要請が出たため、調査は中止となった。 また学会発表も予定していたが、これも大会自体が中止となるものが多く、オンライン雑誌への投稿をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも述べたように、1月から発生した、新型コロナウィルスの感染拡大により、以下の現地調査を計画していたが、渡航自粛要請により中止となった。すなわち2月のモロッコのアブドル5世大学の訪問、3月の中国の大連理工大学の訪問調査が中止となり、未執行研究費が相当額発生した。 しかし、各国における外出自粛(禁止)措置により、日本を含む多くの国の高等教育の授業がオンラインベースとなり、国際通信学位というトランスナショナル高等教育の一形態に類似した教育活動が急速に展開したため、通信による高等教育プログラムの有効性や課題についての貴重な事例やデータを収集することが可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の前半も、新型コロナウィルスの感染拡大により、海外の現地調査はもとより、国内調査や全体打ち合わせ会議の実施も難しいことが予想される。可能な限りオンラインベースでの調査や会議を行う予定であるが、学会の大会の中止も相次ぎ、その研究計画は不確定要素がきわmて多い。今年度後期において、感染拡大の収束がみられたら、延期となっていた、モロッコ調査、中国(大連)調査、可能であれば、ドイツや北アフリカのトランスナショナル高等教育の現地調査を行いたい。後期にも影響が残るようであれば、研究機kの延長も必要になる可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度1月からの新型コロナウィルス感染の拡大により、年度末に計画していた海外調査、2月のモロッコ、モハメド5世大学等への訪問調査(2名)、3月の中国、大連理工大学への訪問調査(3名)が中止となり、その後もg海外渡航の自粛や禁止が継続しているため、調査予算が未執行となった。 今年度に上記予定調査を実行する予定であるが、ウィルスの感染が収束する時期について不確定な要素がある。またさらに、ドイツやタイへの調査の計画もあるが、今年度中に執行できる見込みは立っていない。
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