研究課題/領域番号 |
18K02396
|
研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
末藤 美津子 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (10460304)
|
研究分担者 |
市川 桂 都留文科大学, 文学部, 特任講師 (60754546)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | バイリンガル教育 / カリフォルニア州 / カリフォルニア多言語教育法 / バイリンガル教員 / 教員養成 / 教員資格 |
研究実績の概要 |
カリフォルニア州は、1970年代から他州に先駆けて先進的なバイリンガル教育プログラムを数多く実践してきたが、その後、反バイリンガル教育の立場を鮮明にし、1998年には「提案227」を成立させ、公立学校におけるバイリンガル教育を原則として禁止した。一部のオルタナティブ・スクールやチャーター・スクールを除いて、英語の能力が十分でない児童生徒には英語によって英語を教える、いわゆるイングリッシュ・オンリーの学校教育が2016年まで続けられたのである。 だが、この年、すべての児童生徒にバイリンガル、バイカルチュラルの能力を身に付けさせることを掲げた「提案58」が住民投票で成立し、公立学校にバイリンガル教育が復活することとなった。「カリフォルニア多言語教育法」とも呼ばれる「提案58」は、英語学習者が母語と英語を学ぶ権利を保障するとともに、英語母語話者が第二言語を学ぶことも後押しし、カリフォルニアが多言語社会となることを目標としている。 カリフォルニア州の言語教育の歴史を大きく転換させた「カリフォルニア多言語教育法」の意義は、公立学校で原則として20年ほど禁止されてきたバイリンガル教育を復活させたのみならず、カリフォルニア州のすべての児童生徒を英語と英語以外の言語のバイリンガルに育てることで、多言語社会の構築をめざしている点にある。 一方、「カリフォルニア多言語教育法」の最大の課題は、当初よりバイリンガル教員不足と指摘されてきた。有資格のバイリンガル教員は1994-95年度には1,800名ほど養成されていたが、2015-16年度には700名ほどに落ち込んでしまった。およそ20年間、原則として公立学校でバイリンガル教育が禁止されてきたことの負の遺産でもある。こうしたカリフォルニア州の課題をバイリンガル教員の資格と養成に目を向けて検討した。
|
備考 |
『「カリフォルニア多言語教育法」の意義と課題』 平成30年度~令和2年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)基盤研究(C)研究成果報告書 令和3年3月 研究代表者 末藤 美津子(東洋学園大学教授)
|