本研究の知見は、以下の通り。 ①子どもを受容・理解するしつけを称揚する言説が,今日の言説空間で支配的位置を占めている。②「精密コード型」「個人本位型」しつけ様式は,SES上位層で採用される傾向にある。一方,「制限コード型しつけ様式」はSES下位層において採用される傾向にある。③家庭におけるしつけ様式の規定要因について,「精密コード型しつけ様式」は,回答者(母親)が水平的親子関係で育った場合に採用される。「制限コード型しつけ様式」は,回答者が親から叱られた経験,垂直的親子関係で育った場合に採用される。「個人本位型しつけ様式」は,回答者が親からほめられた経験,水平的親子関係で育った場合に採用される。
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