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2018 年度 実施状況報告書

三重県で増加する外国につながる高校生の進路形成の課題抽出と解決に向けた重点支援

研究課題

研究課題/領域番号 18K02413
研究機関三重大学

研究代表者

江成 幸  三重大学, 人文学部, 教授 (20269682)

研究分担者 オチャンテ ロサ  奈良学園大学, 人間教育学部, 専任講師 (00784042)
谷垣 映子  三重大学, 人文学部, 助教 (70303716)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード外国につながる高校生 / 進路形成 / 三重県 / 多文化共生 / 日本語学習 / 教科学習 / 学習支援
研究実績の概要

表題の「進路形成の課題」とは、大きく三つの側面があると考えられる。一つには、高校生活の間に学業を妨げる何らかの要因が生じる場合で、経済的理由や学力不足による中途退学を含めて扱う。二つめは高校を出て希望する道に進んでいるか、進路選択が狭められていないかという問いである。三つめに、学校をはじめとする教育支援のしくみと役割の検証が求められる。
外国につながる大学生を対象として、進路形成に関するインタビュー調査に着手した。研究グループでライフヒストリーに沿った共通の設問を用意し、家族の来日経緯、家庭での教育方針、学校生活のなかで経験した達成や困難、振り返って役に立った学習支援、将来の展望などについて話を聞いた。
インフォーマントは南米にルーツを持つ者が中心で、保護者の母語が外国語である。自身は日本生まれか、幼い頃に来日しており、日本の小中高校を経て大学に進学している者がほとんどである。彼らは、日本語と教科の両面で学習達成度が高く、進路選択における目的意識やモチベーションも高い。その背景として注目されるのは、親からの動機づけと、学校の授業以外で集中的な学習指導を受けた経験である。まず、日本で単純労働に従事する親世代が、子ども世代には社会的上昇につながる大学教育を望んでいることが挙げられる。また複数のインフォーマントが、高校までのある期間に個別の学習指導を受けており、それが学校の勉強に自信を持つのに役立ったと述べている。これらの点に留意して、引き続き調査に取り組んでいきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度は計7名に面接調査を行い、テキスト化の作業を進めているところである。また、参加観察ないし現地視察を通じて、三重県内での教育支援状況について継続的に情報収集を行っている。進捗が遅れた原因としては、研究代表者が所属学部の学生支援委員長としてインターンシップの卒業要件化の準備に携わり、定例会議の他にもくワーキンググループの開催などに時間を割かれ、学外での調査が進まなかった。また研究分担者の1人は、この課題がスタートした後に長期の体調不良となり、年度を通じて調査活動および学会出席を控える必要があった。

今後の研究の推進方策

質的調査を継続するにあたって対象を広げる。具体的には、これまで面接を行った大学生の保護者や、すでに就職している当事者への面接を行う予定である。
研究代表者は1年目のエフォートを40%にしていたが、大学での教育と運営業務の実情を考慮して、2年目は30%に変更する。また、研究分担者1名が2年目より所属研究機関を異動することから、調査の取りまとめが長引く可能性が高くなった。期間の延長も視野に入れて、協力して課題に取り組んでいく。

次年度使用額が生じた理由

進捗状況で説明した理由により、当初予定していた調査および学会参加の出張を延期する必要が生じ、申請したパソコン周辺機器や書籍の購入も、2年目以降に行うことにしたから。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 移民 1.5 世代、2 世代の日本語習得と公立学校での学習―日系ブラジル・ペルーの子 どもを事例として―2018

    • 著者名/発表者名
      オチャンテ 村井 ロサ メルセデス
    • 雑誌名

      奈良学園大学紀要

      巻: 9 ページ: 31-45

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 移民 1.5 世代、2 世代の日本語習得と公立学校での学習―日系ブラジル・ペルーの子 どもを事例として―2019

    • 著者名/発表者名
      オチャンテ・村井・ロサ・メルセデス
    • 学会等名
      国際研究集会2019  多言語化する学校とバイリンガリズム―フランス・カナダ・日本

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公開日: 2019-12-27  

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