| 研究課題/領域番号 |
18K02421
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| 研究機関 | 成蹊大学 |
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研究代表者 |
今田 絵里香 成蹊大学, 文学部, 教授 (50536589)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 少女雑誌 / 少年雑誌 / メディア / ジェンダー / 「少年」 / 「少女」 / 日本少年 / 少女の友 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、（１）近代日本の少年／少女雑誌の投稿文化を比較し、（２）近代日本の中学校／高等女学校の作文教育の実践を比較することである。そのため、2020年度は、（１）戦前戦後日本の『少女の友』（実業之日本社）と『少女倶楽部』（『少女クラブ』）（大日本雄弁会講談社）、（２）戦前日本の『日本少年』（実業之日本社）と戦前戦後日本の『少年倶楽部』（『少年クラブ』）（大日本雄弁会講談社）、（３）戦前戦後日本の『小学一年生』～『小学六年生』（小学館）と『たのしい一年生』～『たのしい六年生』（大日本雄弁会講談社）を比較分析し論文にまとめた。この論文で明らかにしたことは、（１）戦前戦後日本の『少女の友』は優美高妙たる女性像を理想としていたが、『少女倶楽部』（『少女クラブ』）は一貫して質実剛健たる女性像を理想としていたことである。そして『少女倶楽部』（『少女クラブ』）の掲げる女性像と江戸川乱歩の描写する女性像が一致していたため、江戸川乱歩は少女雑誌においては『少女クラブ』にのみ作品を載せていたことである。また、（２）戦前日本の『日本少年』（実業之日本社）は教養主義、知育偏重主義を掲げていたが、戦前戦後日本の『少年倶楽部』（『少年クラブ』）は娯楽主義、徳育主義を掲げていたことである。そして、『少年倶楽部』（『少年クラブ』）の掲げる娯楽主義・徳育主義と江戸川乱歩の描写するテーマが一致していたため、江戸川乱歩は『少年倶楽部』（『少年クラブ』）に作品を載せていたことである。さらに、（３）小学館の学年別雑誌では、江戸川乱歩は読者が同一化できる同一の社会階層の少年を主人公として描写したり、読者とコミュニケーションをとったりしているが、大日本雄弁会講談社の学年別雑誌ではそれらが見られないことである。この論文は落合教幸・阪本博志・藤井淑禎・渡辺憲司編『江戸川乱歩大事典』（勉誠出版）にて公表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、（１）少年少女雑誌の投稿欄に関する史料、および文献を収集し、（２）中学校・高等女学校の作文教育に関する史料、および文献を収集することで、戦前戦後における少年少女雑誌の変遷と少年少女雑誌の「少年」「少女」に関する知の変遷を明らかにすることができた。そして、それを論文にまとめることができた。そのため本研究目的を概ね達成しつつあるといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、（１）近代日本の少年／少女雑誌の投稿文化を比較し、（２）近代日本の中学校／高等女学校の作文教育の実践を比較するため、（１）少年少女雑誌の投稿欄に関する史料、および文献を収集し、（２）中学校・高等女学校の作文教育に関する史料、および文献を収集する。今後は、1920年代、1930年代、1940年代、さらには、戦後の少年少女雑誌の通信欄・文芸欄における投稿文化、および、中等教育機関の作文教育を明らかにする。そして、1900年代から戦後にかけて、少年少女雑誌の投稿文化と中等教育機関の作文教育の関連をさぐることとする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由 2021年度に、戦後日本の少年少女雑誌の史料、および、戦後日本の作文教育の実践に関する史料を収集する必要が生じた。したがって、2021年度には、複写費など、史料収集に関する費用が大幅にかかることが予期できた。そのため、2020年度の使用計画を変更し、2021年度に繰り越すことにした。この手続きによって、2021年度使用額が生じた。
使用計画 本研究の目的は、（１）近代日本の少年／少女雑誌の投稿文化を比較し、（２）近代日本の中学校／高等女学校の作文教育の実践を比較することである。そのため、（１）少年少女雑誌の投稿欄に関する史料、および文献を収集し、（２）中学校・高等女学校の作文教育に関する史料、および文献を収集する。2021年度には、（１）戦後日本の少年少女雑誌の史料、（２）戦後日本の作文教育の実践に関する史料を収集する。そのため、2021年度は、複写費など、史料収集に関する費用を支出する計画である。
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