研究課題/領域番号 |
18K02423
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大塲 麻代 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (30578828)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ケニア / インフォーマル居住地域 / フィールドワーク / 小学校 / 新カリキュラム |
研究実績の概要 |
当該年度はフィールドワークの準備を進めつつ、コロナ禍の学習状況について、ケニヤッタ大学のFrancis Likoye Malenya氏と共著で文献レビューに基づく論文を執筆した。論文はJournal of International Cooperation in Educationの第25号に刊行されている。
2022年度は、フィールドワークを再開することができた。2023年2月7日より約一ヶ月間、ケニアへ渡航し、本研究の対象となっている低学費私立小学校と近隣の公立小学校について、コロナ禍における学習状況や新カリキュラム導入に伴う新たな課題など、聞き取り調査を中心にデータ収集を行った。より具体的には、ケニアの首都ナイロビにあるインフォーマル居住区のキベラを訪問し、コロナ禍でどのような学習が実践されていたのか、学校長から聞き取り調査を実施するとともに、保護者への調査も実施した。キベラは10年ほど前にも調査を実施した地域であり、かつ、近年の大規模区画整備により政府の取り壊し対象となった学校も多数存在することから、当時訪問した学校のうち、どの程度の学校が現在も存続しているのか調査を行なった。以上に加え、ケニアは2017年から新カリキュラムを導入し、教育制度は旧来の小学校8年から6年に移行している。フィールドワークを実施した時期はちょうど新学期で、初めて中学校1年生を迎えたことから、新カリキュラムが学校運営にどのような影響を及ぼしているのか、公立小学校とインフォーマル居住地域の学校で差異がみられるのかなどについても調査を行なった。調査結果はアフリカ教育学会の学会誌『アフリカ教育研究』第14号で公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍でフィールドワークがほぼ3年滞ってしまったが、2023年2月から再開することができ、多少の挽回をすることはできている。本研究は公立小学校とインフォーマル居住地域の低学費私立小学校の比較研究であるが、2月の調査で両方の学校を訪問することができ、それぞれのタイプの学校が現在抱えている課題について主に学校長を中心に聞き取り調査を実施することができた。また、学校選択に関する保護者の聞き取り調査も実施できたことは、本研究にとっても意義が大きい。
当初の計画より全体の調査対象校のスケール(学校数など)は縮小したものの、公立小学校が抱える課題と低学費私立小学校が拡充したその背景や、それぞれの学校の特色、長所と課題などを比較する情報は得ることができている。したがって、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に再度フィールドワークを実施したいと考えており、時期についてはまだ未定であるが、調整を行っているところである。既に2023年2月にフィールドワークに行きデータを収集することもできていることから、まずはその時得たデータを精査・分析し、論文執筆を行っていきたい。また、本科研調査は最終年度であるため、残額を適切に執行し、これまでの研究成果と知見を論文等で公表していく執筆活動にも力を入れていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年2月にフィールドワークを実施したものの、それまで3年間フィールドワークが実施できていなかったことから繰越金が積み重なり、残額の全てを執行するには至らなかった。今年度は最終年度であり、再度フィールドワークを考えているため、時期を調整した上で適切に執行する予定である。
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