これまでの先行研究では、アフリカにおける初等教育の無償化政策は教育の質低下を招き、貧困層でも敢えて私立校を選択することが議論されてきた。しかし、「どこで学ぶか」の学校選択は、必ずしも教育の質(=成績)だけが問われるものではなく、どのようなサービスが受けられるか、誰が教育を提供し、また初等教育修了後の中等教育への接続はどの程度スムーズであるのかなど、さまざまな要因が絡んでいることが明らかにされた。未だ低所得者層の子どもたちは十分な教育機会が得られていない。そのような中で、公立・私立、認可・無認可に関わらず、正規の学校教育カリキュラムに則った学びの場は、一定数の需要があることを明らかにした。
|