研究課題/領域番号 |
18K02444
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鶴崎 俊哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20197768)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 運動学習 / ハイハイ / 動作分析 / コード化 / 発達 / 発達遅滞 / バリエーション |
研究実績の概要 |
令和4年度は,令和3年度までに予定を消化できなかった縦断的研究を可能とするための研究協力施設の確保ならびに分析のための動画撮影を中心に研究を実施する予定であった。保育園・こども園3施設から研究協力の承諾を得られていたが,新型コロナウイルス感染拡大防止処置により,各施設への部外者の立ち入りが制限され,また対象となる幼児が新型コロナウイルス対応ワクチンの接種ができない年齢のため,新たなデータとなる動画撮影および追跡調査がかなわなかった。 既存データを用いて解析を進め英語論文を4編作成し,そのうち1編はEarly Child Development and Careにオープンアクセスで採用された。残りは現在投稿中となっている。 論文の内容は,3歳から5歳の追跡調査が可能であった一部の幼児に対し,DENVERⅡを用いたスクリーニングを用い,発達に遅れの疑いがある幼児に関してはハイハイから独歩に至るまでの過程のなかで,観察される運動のバリエーションの総数が定型発達児に対して少ないことを報告したものである。これにより,コード化というハイハイ動作の分析手法が発達に課題を持つ乳児の早期発見に寄与できる可能性を示した。ただ,現時点では対象数を十分に増やすことができず,スクリーニングで発達の遅れが疑われた例はさらに少ないため,対象数を増やすことが課題となっている。 また,コード化による動作分析手法を複数の研究協力者(大学院生ならびに学部生)と共有することで,撮影に関するマニュアル作成とともに分析手法のトレーニング法を工夫した。しかしながら,動画の撮影と編集,その分析に手間と時間がかかる方法のため,より簡便な分析方法の考案が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度の当初予定では,対象を100ケース超とするため動画撮影期間を延長ならびに研究協力施設の追加を検討していたが,新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から継続的な撮影ができなかった。一時,立ち入りが許可になり撮影を開始したケースもあったが,十分な撮影期間と頻度を得ることができなかった。 継続的な研究への協力が得られる保育園・こども園を3箇所確保し,各施設10ケースの動画撮影を行うとしていた。これまでに研究協力施設として3箇所に承諾を得られたが,新型コロナウイルス感染拡大防止処置により,各施設への部外者の立ち入りが制限され,また対象となる幼児が新型コロナウイルス対応ワクチンの接種ができない年齢のため新規の動画撮影ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進め方として,令和5年5月8日付をもって新型コロナウイルス感染が5類感染症の扱いとなるが,幼児に関する感染リスクとその影響についてはまだ不明な点も多く,また再流行の懸念もあるため,撮影頻度を下げたり,横断的な分析対象動画撮影を行うなど可能な範囲で慎重にデータ収集を行う。 本研究で用いているコード化による動作分析手法では,観察項目が多く細かな分析が可能となる一方,日常的な使用については煩雑となるため,項目間の関連性等について既存データを用いてより詳細な分析を行い,分析手法の改良に取りかかっている。 また,分析基準の簡易版を作成し,バリエーション数の変化が現行のものと同程度観察できるように既存データの再分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため,新規データとなる動画撮影が全く行えなかったために人件費等の支出ができなかった。感染拡大の状況に合わせ,可能な限り動画撮影を行えるように人員を確保するとともに,データ分析のためのソフトウェアのライセンス購入,結果公表のための英文校正・論文投稿費に充てる予定である。
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