研究課題/領域番号 |
18K02447
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50213442)
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研究分担者 |
篠原 光児 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00206111)
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00331679)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 世代間交流 / 児童 / 高齢者 / ボランティア / ジェネラティビチィ |
研究実績の概要 |
本研究は、児童養護施設における高齢者の学習支援が児童養護施設入所児童の心身の健康、生活行動に及ぼす影響について明らかにすることを目的として実施した。2019年度は、調査研究に協力可能な児童養護施設、および児童への学習支援を希望するシニアボランティアの各選定を2019年7月より開始した。その結果、兵庫県A市のA児童養護施設より調査研究の許諾(入所児童数23名:小学校1年生から6年生)が得られ、65歳以上の男女シニアボランティア3名より本事業への参加希望が出された。スポーツ活動や学習支援ボランティアに対する基礎的資料を得ることを目的として、高齢者大学の学生220名を対象として、「基本属性」「主観的健康感」「精神的健康度(WHO-5)「高齢者用抑うつ尺度短縮版(Geriatric depression scale 15)」「病気の既往」「老研式活動能力指標」「居住年数」「食品摂取の多様性得点」「地域愛着度」「generativity尺度」「主観的経済状況感」「経済的満足感」「友人や家族との付き合い状況」「社会的孤立尺度」「家族構成」「生きがい感スケール」「若者イメージ」「運動継続の頻度」等に関する自記式アンケート調査を行った。スポーツ活動として、あらゆる世代で実践者が多い剣道を選択し、剣道実践者における児童・生徒との交流効果に関する分析を行った。昨年度と同様に児童に対するボランティア実施の意欲は高く希望者も多かったが、活動場所、活動方法がわからない高齢者の存在が確認された。2020年度にA児童養護施設の入所児童23名とスポーツ活動支援事業を月1回、計5回実施する予定である。2019年度は、本調査で得られたデータの分析結果を国内外の学会、国際会議において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、児童養護施設、同施設入所児童および高齢者ボランティアからの調査協力を得て、児童、高齢者に対する各種調査はおおむね順調に進展している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、本年度1月以降に予定していた調査並びにデータの分析が若干進められなかったが、2020年度に合わせて研究参加者の健康状態に万全の配慮を施した上で慎重に実施したいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、本研究の最終年度として児童養護施設における高齢者の学習支援が児童養護施設入所児童の心身の健康、生活行動に及ぼす影響について、積極的に調査研究を進める。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるため、研究参加者の健康を第一に、両者へのアプローチは慎重に感染対策を厳密に取りながら進める予定である。具体的には、世代間交流の手段としてスポーツ活動に着目し、児童の心身の機能の向上と高齢者ボランティアの認知機能の維持向上とフレイル予防に着目した研究を実施したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校の休学等の影響を受け、本年度の1月から予定していた児童養護施設入所児童と高齢者ボランティアの交流活動や両者へのアンケート調査、および得られたデータの分析が実施できず、それらに伴う物品費、謝金の支出が当初の予定より少なくなったため。
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