研究課題/領域番号 |
18K02447
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50213442)
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研究分担者 |
篠原 光児 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00206111) [辞退]
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00331679)
喜友名 菜織 兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (30780035)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者 / 主観的健康観 / 社会参加 / COVID-19 |
研究実績の概要 |
本研究は、児童養護施設における高齢者の学習支援が児童養護施設入所児童の心身の健康、生活行動に及ぼす影響について明らかにすることを目的として実施した。その一方で、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、入所児童と高齢者の間の世代間交流事業の実施は見直しをせざるを得ない状況となった。2023年度は、COVID-19の影響は軽減されたものの、児童並びに高齢者への感染リスクの高さを鑑み、児童に対する高齢者の学習支援等の実施効果に関する調査については、内容を若干変更して実施することとした。具体的には、子ども等を対象とした世代間交流プログラムへの参加を希望する高齢者の特徴を中心に明らかにすることを目的として、COVID-19流行下における行動制限が地域高齢者の主観的健康感に与える影響について分析を行った。COVID-19流行期に地域高齢者の主観的健康感について縦断的調査を行い、追跡調査で一部の参加者の主観的健康感が悪化した要因を検討した。その結果、「健康悪化群」では「健康維持群」と比較して「運動機能の低下」の割合が有意に高く(p=0.01)、「老年期的な手段的自立」の因子の得点が「健康維持群」と比較して低かった(p=0.02)。主観的健康感の悪化に関連する因子を分析するためにロジスティック回帰分析を行った結果、「運動機能の低下」が主観的健康感の悪化と有意に関連していた(p=0.04)。この結果はCOVID-19が流行した5ヶ月という短い期間においても、高齢者の主観的健康感が影響を受けていたことを示唆しており、高齢者の社会参加の重要性が確認された。COVID-19の感染状況を注視しつつ、今後、児童養護施設の入所児童と高齢者との世代間交流事業を実施したいと考えている。
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