研究課題/領域番号 |
18K02453
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
荒牧 美佐子 目白大学, 人間学部, 准教授 (80509703)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 預かり保育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、幼稚園の預かり保育が子どもの発達に与える影響について、預かり保育の利用と家庭での子育てとの関連を視野に入れて、検証することである。具体的には、第一に、幼稚園での預かり保育について観察及び面接調査を実施し、預かり保育の実施形態や活動内容を「構造の質」及び「過程の質」という2つの視点に沿って整理した上で、預かり保育のタイプ分類を行う。そして第二に、幼児を持つ保護者に対する縦断的な質問紙調査から、預かり保育の利用が、家庭での子どもの生活や親子の関わり、子どもの発達にどのような影響を及ぼすかについて検証する。今年度は、第一段階の観察及び面接による本調査の実施に先立ち、事前調査として、東京都内の私立幼稚園園長を対象に、預かり保育実施の現状や課題についてヒアリングを行った。そして、先行研究の結果も踏まえつつ、調査項目の選定を行い、幼稚園における預かり保育の「構造の質」と「過程の質」を、①預かり保育の実施状況(保育室の状況や遊具教材の数・種類等の物的環境、保育時間、実施期間・日数、子どもの受け入れ人数や条件(親の就労の有無等)、子どもと保育者の比率など)、②預かり保育の担当者(担当する保育者の所有資格・免許や専門性、雇用形態や給料、経験年数、保育に関する研修会への参加状況など)、③預かり保育の内容(具体的な活動内容や計画作成の実施有無、保護者との情報共有方法など)、④預かり保育を運営するにあたっての課題(教育時間内のクラス担当との連携や保護者のニーズへの対応など)の4つの柱に沿って整理し、明らかにすることとした。また、調査実施の可否について、所属機関における倫理審査委員会に諮り、承認を得た。今後、東京都内の私立幼稚園10園を対象に訪問調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、研究開始年である2018年度中に、東京都内の私立幼稚園約10園を対象とした訪問調査を実施する予定であった。しかし、調査協力園の選定基準を明確にするために、事前調査等を慎重に行った結果、本調査の実施までには至らなかったため、2年目の2019年度に開始を遅らせることとした。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる2019年度は、約10園の幼稚園に訪問調査を実施し、その結果を踏まえて、保育タイプ分類に関する分析を行う。分析を進めながら、データをさらに増やした方がよいと判断した場合には、年度いっぱいかけて訪問調査を続ける。また、これと並行し、2020年度に実施予定である保護者を対象とした質問紙調査票の作成を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進歩状況において述べた通り,やや遅れが生じており,調査の開始時期が遅れたため。 幼稚園への訪問調査の実施にあたって必要となる交通費や音声データの入力代金等に使用する予定である。そして、調査によって得られた知見については学会にて発表することを予定しており、そのための学会参加費、出張費に充てる。
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