幼稚園での預かり保育の利用が子どもの発達に影響しうるのかについて、保護者を対象とした縦断的な質問紙調査を行った。子どもの性別や年齢、社会経済的状況、親の養育態度による影響をコントロールした上で検証した結果、プラス・マイナスの両面において、預かり保育の利用の有無による影響は見られなかった。しかし、預かり保育の内容が、設定活動中心であることが、「好奇心」の育ちに対して、弱いマイナスの影響を及ぼしていた。また、園選びの際、預かり保育や延長保育の充実を重視する保護者ほど、育児への肯定感とともに、園の保育内容に対する期待が低く、子育てにおいて余裕を持てない状況に置かれている可能性が示唆された。
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