本研究は、親子のコミュニケーションツールとしての音楽が、親子の短期的・長期的状態に影響をもたらすことを示した。従来少なかった自然場面に近い状況を実験室または自宅で設定し親子を同時に分析した点が新しく、日常的な音楽使用が親子間の絆形成とコミュニケーション発達に深くかかわることをより強固に裏づけるものである。本研究の成果は、言語や社会性の発達が定型的でない子どもや精神的に問題を持つ親のコミュニケーションを促進するツールとして音楽を活用することの科学的背景として、より効果的で適切な方法を提案することにつながると考えられる。
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