研究課題/領域番号 |
18K02458
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
那須 信樹 中村学園大学, 教育学部, 教授 (60300456)
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研究分担者 |
細井 香 東京家政大学, 子ども学部, 准教授 (90383405)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | キャリアアップ研修 / キャリアラダー研修 / 保育研修 |
研究実績の概要 |
令和3年3月から4月にかけて、保育教諭に限定しない保育士・幼稚園教諭を含む「保育者」を対象に47都道府県、80政令指定都市の合計127自治体の、主に保育研修担当者を対象に「保育者(管理職含む)の研修情報の取扱いにかかる調査」と題するアンケート方式による自記式質問紙調査ならびにGoogleアンケート機能を活用した調査を実施した。 アンケート調査については、127自治体中の83の自治体より回答があり、回収率は65.4%であった。その結果より、自治体レベルにおける保育研修情報発信にかかる実態と主に自治体担当者の情報の取り扱いにかかる意識の実態が明らかとなった。また、コロナ禍の影響を受け、オンライン型の研修導入を図った自治体も令和元年以前に比べ導入している自治体が増加していることも明らかとなった(導入率:令和元年度まで<5%>→令和2年以降<63%>)。 これまで開発検討を重ねてきている研修ナビゲート支援ツール「保育ぴたっとナビ」の活用については、「活用する」が全体の16%、「活用しない」が3%、「どちらともいえない」が81%であった。自治体担当者の業務が多岐に及んでいるためか、WEB環境上での研修情報の集積や発信についてはどちらかといえば消極的であることも明らかとなった。 こうした実態にも鑑みながら、F県O市の協力を得、すべての保育者の自律的な研修情報へのアクセスを支援する取り組みの試行と保育者のキャリア形成に資する体系的な研修内容(「保育者キャリアラダー研修」)の開発に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度以降も新型コロナウイルス感染症の影響による計画的な研修実施が難しかったが、令和4年度に入り、予定していた研修が少しずつ展開できるようになってきている。 しかしながら、これまで開発を進めてきた保育研修ナビゲート支援システム「保育ぴたっとナビ」の試行的運用による研修情報へのアクセス保障にかかる取り組みについては、予算的な問題もあり、今後の運用にかかる再検討を行わざるを得ない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
F県O市の保育士を含む保育教諭のキャリアパス研修(「保育者キャリアラダー研修」)内容の開発と実施・受講者評価による保育者育成研修としての成果と課題の抽出を行う。 併せて、本研修においては、これまで開発を進めてきた保育研修ナビゲート支援システム「保育ぴたっとナビ」の施行的運用による研修情報へのアクセス保障にかかる成果と課題についても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
主には学会発表の取り止めやヒアリング調査の延期など、旅費等にかかる費用の支出がなかったため。 今後の使用計画としては、来年3月に予定されている日本保育者養成教育学会における研究発表にかかる旅費と本研究の取りまとめにかかる報告書の作成に費用を当てる予定である。他、共同研究者をもう一名追加申請する予定があるため、可能な範囲での研究費の割り当てを行う予定である。
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