研究課題/領域番号 |
18K02463
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研究機関 | 田園調布学園大学 |
研究代表者 |
犬塚 典子 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 教授 (70400471)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 就学前教育改革 / 全日制幼稚園政策 / 幼保無償化 / 保育専門職の連携 |
研究実績の概要 |
本研究は,福祉政策の拠点としての小学校の在り方を探るために,カナダの無償制就学前教育の拡大を検証するものである。就学前教育の無償化と低年齢化,専門職の連携,保幼小の継ぎ目のないプログラムの開発という視点から先駆性に富むオンタリオ州の全日制キンダーガーテン政策を中心に調査・分析を行う。政策の成立・実施過程,政策の根拠となったエビデンスを明らかにした上で,国際比較のための枠組みと日本への視座を得る。 平成30年度は,5月~6月に,レジャイナで開催されたカナダ人文社会科学学術会議,カナダ教育学会に参加し,全日制キンダーガーテン政策の動向について最新の情報を収集した。また,トロント大学とジョージ・ブラウン・カレッジが開催する「乳幼児教育夏季セミナー」に参加し,オンタリオ州の政策について資料収集・意見交換を行った。 8月には,上記の成果をもとに,田園調布学園大学大学院主催シンポジウム「子育て支援の新たな戦略―北欧型か北米型か―」を企画開催した。「拡大する就学前教育―カナダのフルタイム・キンダーガーテン―」のテーマで講演を行い,報告書を作成した。 9月には,トロント大学幼児教育センター,ジョージ・ブラウン・カレッジを訪問し,最新の政策展開、その背景や今後の方向性について現地調査を行った。また,キンダーガーテンにおける教員と保育士の連携について,ミシソガ地区の教諭を対象にインタビュー調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は当初の予定どおり,理論研究、実態調査の両面において、本年度の研究計画の中心となる作業を終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,2019年度はトロント地域以外に調査対象を広げる。日本において「幼保無償化法」が成立し,社会的・学術的に本研究課題の重要性も高まっている。カナダ以外の国の就学前教育の改革動向もおさえ,国際比較のための枠組みを確立し,より多角的な視点と方法で研究活動を発展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていく上で必要に応じて物品費を執行したため,当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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