研究課題/領域番号 |
18K02464
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
村田 実希郎 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80723478)
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研究分担者 |
定本 清美 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (00297673)
鷲見 正宏 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (40255857)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 点鼻薬 / 医薬品デバイス / 小児 / 使用性 / 官能評価 |
研究実績の概要 |
昨年度までに、先行の小規模調査を踏まえ、成人の協力者に対し点鼻薬デバイスについての質問紙調査及び客観試験・官能試験を行った。この結果をもとに、研究協力者(小児及び保護者)の募集に際し、当初、児童クラブ等に加え、モニター企業との連携を考えていたが、近隣住民の協力により、より多くの児童及び保護者の協力を得られることとなったため、慎重に研究協力者募集文書内容ならびに募集方法を策定した結果、ある程度の時間を要した。 令和元年度は上期に小児及び保護者に対する調査を実施した。本研究では7歳以上の小児に対して実施する調査であることから、文書により保護者(代諾者)からインフォームド・コンセントを受け、小児には保護者(代諾者)の同意を得た上で、小児本人からインフォームド・アセントを得た。その際、説明書などは年齢や発達に応じたものを使用した。調査にあたっては、同意の得られた成人(小児被験者の保護者)及び小児を対象に官能試験及び質問紙調査を実施した。また、被験者の握力・ピンチ力、被験者の手指サイズを計測し、調査結果に基づき、既存点鼻薬デバイスの問題点を整理し、改善方法の検討を行った。 また、前年度から継続して点鼻薬デバイスの力学的検討を実施した。点鼻薬デバイスの力学的特性と上記調査結果についての関連を調査した。噴霧レバー及びキャップにおいては、デジタルフォースゲージを用い、実地調査で得られたピンチ力や握力との相関を検討した。小児おける点鼻薬デバイスの使用性は、デバイスによって差異があることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は研究協力者の募集に際し、募集方法を変更したため、進捗状況がやや遅れていたが、令和元年度より開始した募集は順調に推移し、実地調査はほぼ予定通り、スムースに進捗した。 医療分野では医療人が取り扱うデバイスばかりでなく、点鼻薬をはじめとする様々な医療用デバイスが年々増えてきており、それらの適性使用なくしては薬物治療が立ちゆかなくなっているのが現状である。本研究の小児研究協力者による官能的評価では、ふたの開けやすさ、3本の指で薬を持ったときの持ちやすさ、レバーを押したときの押しやすさ、全体的な使いやすさ等について、評価を得た。被験者の握力・ピンチ力、手指サイズを計測し、既存点鼻薬デバイスの問題点を整理し、改善方法の検討を行った。継続して点鼻薬デバイスの力学的検討を実施し、点鼻薬デバイスの力学的特性と上記調査結果についての関連を調査した。噴霧レバー及びキャップにおいては、デジタルフォースゲージを用い、実地調査で得られたピンチ力や握力との相関を検討した。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果の公表と解決策の検討を実施する。現状の公表で公衆に小児用点鼻薬デバイスのあり方を知らしめ、確実に使用できる点鼻薬デバイスのあり方含む、ユニバーサルデザインの重要性を発信する。点鼻薬デバイスの公衆教育なども検討の基礎に加え、実際には服薬指 導ツールへの応用などを検討する。令和元年度までの調査により、小児における点鼻薬デバイスの使用実態や問題点を明らかにすることで、在宅における小児適応デバイスの危険性、安全性の問題を累積的に更新していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者(小児及び保護者)の募集に際し、当初、調査は児童クラブ等で募るほか、業務委託により協力者を募ることとしていたが、本年度の調査ではすべて児童クラブ等での住民協力による調査となり、業務委託による募集は行わなかったため、差異が発生した。 当初必要な研究協力者数は概ね充足し、次年度(令和2年度)は、点鼻薬デバイスの力学的検討・官能的検討を踏まえた問題点の整理、改善方法の検討により新たに生じた追加実地調査及び学会旅費等に拠出する予定である。
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