研究課題/領域番号 |
18K02464
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
村田 実希郎 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (80723478)
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研究分担者 |
定本 清美 湘南医療大学, 薬学部, 教授 (00297673)
鷲見 正宏 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (40255857)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 点鼻薬 / 小児 / 医薬品デバイス / 使用性 / 官能評価 |
研究実績の概要 |
昨年度までに実施した、「小児及び保護者に対する客観試験・官能試験」及び「点鼻薬デバイスの力学的検討」について解析を行った。調査に使用した点鼻薬スプレーデバイスは5種類 で、いずれも定量噴霧式のデバイスである(1本30 mL及び15 mLの容量)。 点鼻薬スプレーデバイスの力学的検討では、デバイス間のレバー押し込み荷重に差異がみられた。 小児に対する客観試験では、一般に広く市販されているOTC医薬品の中で、適応年齢の小児が使用できない点鼻薬スプレーデバイスが存在していることが明らかとなった。 小児の官能評価項目である“キャップの開けやすさ“、“3指で点鼻薬スプレーデバイスを保持した際の持ちやすさ“、“レバーを押し込んだ際の押し込みやすさ“、“全体的な使いやすさ“は、生後月齢、ピンチ力、握力、手指サイズといった小児研究協力者の生体的因子による影響は少なく、レバーの形状が、評価項目の1つである”全体的な使いやすさ“に影響を及ぼすことが示唆された。また、レバーの形状が円形の点鼻薬スプレーデバイスでは、 “デバイスの底面からレバーまでの長さが“3指で点鼻薬スプレーデバイスを保持した際の持ちやすさに影響し、レバー形状が翼状のデバイスでは、“デバイスの底面からレバーまでの長さ“及び“レバー押し出し荷重の平均“が“レバーを押し込んだ際の押し込みやすさ“に影響しすることが示唆された。 デバイスの使用性が医薬品選択に大きく影響し、デバイスによっては使用できない小児が存在することを踏まえたOTC医薬品の販売方法のあり方を検討する必要性があるとともに、常にユーザーを意識したデバイス設計が必要であると考えられる。
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