研究課題/領域番号 |
18K02467
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
埋橋 玲子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (50269924)
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研究分担者 |
岩渕 善美 平安女学院大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40410956)
西村 真実 帝塚山大学, 教育学部, 准教授 (40413447)
嶋田 容子 同志社大学, 同志社大学赤ちゃん学研究センター, 研究員 (60422903)
北野 幸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90309667)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 保育の質 / 音環境 / ECERS / 音圧レベル / 保育活動 / 音感覚 |
研究実績の概要 |
保育の質評価スケールECERSを用いての調査は、京阪神の任意の2市の保育所・幼稚園・こども園において、2020年7月~9月に合計32の5歳児クラスで行った。本研究の「保育の質の数値化」の課題に対し、3年間で累計92クラスのデータが蓄積された。92クラス中10クラスに、音環境についてのECERSによる保育の質の観点から最低限のレベルを割り込む結果が得られた。 音環境については、今年度任意の7クラスで、評価観察と並行して、音量の測定器とタブレットのアプリという2つの方法で音圧レベルを測定し、5分間隔のタイムサンプリングにより保育活動と「静か」「やや静か」「普通」「ややうるさい」「うるさい」の5段階で音環境の受け止めの感覚を記録した。これにより機器による測定と聞き取りの感覚は保育室内で起きる「騒音」の主観的捉えは計器で計測された値と必ずしも一致しないことがわかった。 保育の場には一定の賑やかしさがあり、子どもの活気ある姿はdBのレベルで単純に騒音・非騒音と線を引くことになじまないものがある。子どもが不快を感じる状況であるとアセッサーが感じたり、保育者の子どもへの言葉かけが相互交流ではなく指示や伝達という一方的なものであったりする状況に呼応して、音の大きさについてアセッサーの許容の範囲を超えた時に気づきとして記録されるものと考えられる。 「子どもの不快」と「保育者の一方的な言葉かけ」がどのような具体的な状況を指しているかは、ECERS項目12・語彙の拡大の各指標によりある程度の理解ができる。さらに具体的な状況を把握し、dBの数値との対照を明確にしてゆくには、項目レベルではなく指標レベルでの数値を得ることが必要となり、これがECERSによる調査の今後の課題である。
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