研究課題/領域番号 |
18K02470
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研究機関 | 青山学院女子短期大学 |
研究代表者 |
村知 稔三 青山学院女子短期大学, 子ども学科, 教授 (00190926)
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研究分担者 |
松永 裕二 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (30128095)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ロシア / ベラルーシ / 体制転換 / 子どもの生活 / 子どもの権利 |
研究実績の概要 |
体制転換後のロシア連邦とベラルーシ共和国における子どもの権利の実態とその保障上の課題を比較研究する本研究課題は、①体制転換後の両国で新しい子ども政策はどのように実現されているか、②子ども政策に子どもの権利条約の普遍原理がどこまで取り込まれているか、③その原理の実現条件としての子どもの生活実態はどのようなものか、という点の解明をめざしている。 5年計画の本研究課題の2年目にあたる2019年度は、ロシア、ベラルーシ両国における動向と比較する意味で、旧ソ連諸国からカザフスタン共和国を選び、1)同国の子どもの生活・権利の実態と権利保障の動向に関して日本国内で可能な関連文献・資料を収集し、それらにもとづく研究発表を行ない、専門家による検討を受けたうえで論稿を執筆した。ここでカザフスタンを対象としたのは、ロシア、ベラルーシ両国がスラブ圏に属するので、中央アジアに位置し、イスラム圏に入るカザフスタンの場合、民族・宗教・文化などの側面で社会における子どもの位置づけが異なるのではないか、という仮説にもとづいている。同時に、2)当初は2018年度に予定していたベラルーシでの現地調査の準備を進めた。 このうち、1)「カザフスタン子ども学研究序説(1)」と題する論稿では、副題「概要と人口動態」にあるように、同国の子ども学研究に直接・間接に関わるロシア語・英語・日本語の主要な先行研究と関連する統計資料について整理したうえで、後者にもとづいて人口動態、とりわけ子ども人口(年少人口)の推移とその背景・要因について考察した。なお、ロシアについては「ボローニャ・プロセスと大学改革」と題する研究発表を行なった。 2)現地調査については、現地の関係機関と連絡をとり、2019年度末の実施に向けた準備を進めてきた。ただ、その間に新型コロナウイルスの影響がベラルーシに及び始めたので、実施を延期した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のとおり、2019年度の重点は、ロシア、ベラルーシ両国との比較対象としてのカザフスタン関連の文献・資料の入手とその精読、それにもとづいた論稿の執筆に置かれ、日本国内での研究活動はほぼ予定どおりに進行した。他方、準備を重ねていたベラルーシでの現地調査は、勤務先の校務のために2019年秋に実施できず、2020年3月に延期している間に、新型コロナウイルスの影響が拡大し、結果的に行なえなかった。その意味で現在までの進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の日本国内での進行は、2018~2019年度と異なり、順調に進めることができるかどうか、不明である。これは、これまで利用してきた国内の主要大学(北海道大学・東京大学・一橋大学・名古屋大学など)の図書館が利用を学内者に限定しているからである。ただ、多くの資料を有する北大スラブ・ユーラシア研究センター図書室は予約制で学外者にも門戸を開いているので、そこを活用する予定である。ロシア、ベラルーシなどの関係機関(国立図書館・国家統計委員会・研究所・大学など)が公式サイトで公開している電子媒体の関連資料については、これまでと同様、積極的に利用していく。現地調査の実施の可否は、主として、感染症の発現の仕方・程度に左右されるので、実施準備を進めるとともに、実施のさらなる延期への対応策を考える必要性がある。具体的には、事前の準備・折衝を受けたオンライン会議システムでの聞き取り調査の実施可能性を探っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のとおり、2019年度に計画したベラルーシでの現地調査は、勤務先の校務と感染症の影響により実施できなかったので、次年度使用額が生じた。 その分を2020年度の調査費用に充てる予定である。現在のところ、2020年9月にベラルーシでの調査と2021年2~3月にモスクワ市でのそれを実施するか、あるいは逆の順で行なうことを予定している。
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