研究課題/領域番号 |
18K02476
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
石川 由美子 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (80282367)
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研究分担者 |
石川 隆 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (50320601)
齋藤 有 聖徳大学, 児童学部, 講師 (60732352)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 読み合い遊び / 近赤外線分光法 / 発達調査 / 絵本 / 関係発達 |
研究実績の概要 |
ニルスでの評価について 協力園でのニルス計測は本年度も60名程の協力を得られた。その中で、継続して読み合いに参加していた15名を対象に、コントロール群として計測していた健常成人10名および読み合い遊び未経験の子供15名の3群比較の結果を報告する。課題絵本刺激は「だるまさんが」「だるまさんお」「めとめがあったら」の2場面ずつ6課題とした 読み合い遊びを経験していた子どもたちと、経験していない子どもたちの前頭前野活動の様相には違いがみられた。「だるまさんが」の絵本では、健常大学生の前頭前野は左右いずれも顕著な活動がみられなかったが、読み合い遊びを経験した子どもたちの前頭前野は課題開始後に左前頭前野で活動がみれらた。一方、読み合い遊びを経験していない子どもたちでは、左右前頭前野ともに顕著な活動を示しており、発達とともに言語活動が減衰していく様子が認められた。「だるまさんが」は平易な言葉が使用されており、大学生には言語負荷が低かったものと考えられる。一方、幼児期の子どもでは絵本の読み合い経験があると左前頭前野に側性化していく様子が認められ、この側性化は言語機能が限局化(Localize)していく様子が反映されたことが示唆される。「めとめがあったら」の絵本においては、潜時が遅れるものの読み合い経験がある子どもたちでは、成人同様に左右前頭前野で活動が認められた。子どもたちの共感性が喚起されやすくなっていたことを示唆するものと考えられる。 健常児および気になる子の発達調査(継続データのある子ども約30名分)では、気になる子ども程、読み合い遊びの参加での各領域での発達月齢差が起きくなることが示された。 言語の領域の発達は先行研究とも一致するものであるが、成人、子どもの関係発達、概念の発達に顕著な変化が認められた。
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