体臭は、体から発せられる化学物質が元となっている。それらの物質は、個体の年齢、性別、生理状態などにより変わるため、体臭は、そうした個体の情報を他者に伝える媒体にもなり得る。ヒト以外の哺乳類では、特定の体臭成分が、他個体の行動に影響するとことが知られている。ヒトにおいても、体臭が他者の生理状態や行動に影響を及ぼす例が報告されているが、着衣などを匂いの源として用いた研究が殆どであり、効果をもたらす匂いの実体が曖昧だった。本研究では、乳幼児の体臭成分同定した上で、その作用を明らかにすることにより、ヒトの養育行動を理解する上でも、ヒトにおける体臭の社会的な役割を理解する上でも重要な知見を提供する。
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