研究の目的(1)精神疾患を抱える保護者をもつ子どもへの支援ガイドライン作成 2018年~2019年に日本およびフィンランドで収集したメンタルに関する論文が国際雑誌に採択された。この論文は学齢期の子どもが感じる主観的幸福感と学校適応、家庭関係の良好さとの関連について明らかにしたものであり、本課題の目的(1)に資する基礎研究になると考えられる。
研究の目的(2)精神疾患を抱える保護者をもつ子どもへの支援について、本邦の精神科医療、保健福祉領域における現状を明らかにする NPO法人プルスアルハ等が主催するオンライン研修会に参加し、日本およびフィンランドにおける支援体制に関する情報収集とネットワーク作りをおこなった。この分野は、近年、ヤングケアラーという名称のもとで実態調査が行われつつあるが、ヤングケアラーの定義や範囲はなお曖昧なままである。当事者を中心とした地道な活動やごく一部の精神科医師、看護師の理解に留まっており、支援の提供の前段階にあると言える。 Covid-19の影響により、国内・海外の調査や会議、シンポジウム開催は困難となったため、調査期間の延長を申請し、調査対象者や方法の変更を余儀なくされた。医学・看護系の学会にて参加者にアンケート調査を実施する予定であったが、学会自体が延期、またはオンライン開催となったため、実現しなかった。2022年度においてもCovid-19の規制により、海外調査や医療・保健の現場におけるインタビューの実施は困難であった。
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