本研究では、逆境的でリスクのある生活をおくる子どもの「レジリエンス」を育てる場のひとつとして「放課後児童クラブ」に注目し、研究者が実践者とが協働で、この場が子どもたちにとってどのような影響をもちうるのか、質的方法による調査をおこなった。その結果、クラブの運営いかんでは、脆弱性をもつ子どもであっても、主体的に活動に参加でき、効力感をもてることが明らかになった。その一方で、子どもたちの暴力などが関係の悪循環をうみ、いじめなど、排斥につながることもあった。子どものレジリエンスを育てるためには、クラブの物的環境や、子どもの関係性を育てたり、葛藤を解決するための実践的知識の蓄積が重要であると示唆された。
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