研究課題/領域番号 |
18K02490
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
青木 豊 目白大学, 人間学部, 教授 (30231773)
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研究分担者 |
福榮 太郎 横浜国立大学, 障がい学生支援室, 講師 (10638034)
宮戸 美樹 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (60456332)
中村 和昭 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 薬剤治療研究部, 室長 (80392356)
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 愛着スペクトラム / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究は愛着スペクトラム評価システムAttachment Spectrum Assessment System (ASAS)の開発とその有用性の検討を目標としている。研究は2期 PhaseⅠ、PhaseⅡにに分けられ、PhaseⅠではASAS第1版(ver.1)を作成し、被虐待乳幼児20例と定型発達児20例に対して同システムを施行して有用性の第1段階を確認する。さらに施行した経験をもとに第2版 ver.2.を作成する。PhaseⅡではさらに多くの例(被虐待乳幼児50例、定型発達乳幼児50例、非虐待臨床群20例)を用いて、ver.2.の有用性を検討する。昨年度の1年目でまず臨床コアチームによってASAS ver.1.は完成した。ASAS ver.1.は、DSM-5による脱抑制型対人交流障害と反応性愛着障害を評定するインタビューと愛着の安定度を測る愛着行動チェックリストABCLからなる。同システム施行者に対して2019年2月15日にASASの施行者研修を行った。研修受講者は、児童相談所の職員、すなわち神奈川県児童相談所職員と臨床コアグループの研究者である。児童相談所の職員は被虐待乳幼児に対して、研究者は定形乳幼児に対してそれぞれASASを行う予定である。ちなみにASASは被虐待乳幼児に対する3つの精神病理の包括的評価システムComprehensive Assessment System of Tri-Psychopathologies for Maltreated Infants and Toddlers: CAT-P for MITのⅠ軸アタッチメントに当たる。他の2軸はトラウマと発達障がいである。PhaseⅠで我々はCAT-P ver.1.を完成した。当研究はCAT-Pの有用性の検討の1部と位置付けられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の研究は順調に進んだ。すでに述べたように臨床コアチームがCAT-P ver.1.を完成した。CAT-PはそのⅠ軸 ASAS ver.1.を含む。さらに同システム施行者に対して2019年2月15日にASASの施行研修を行った。研修受講者は、児童相談所の職員、すなわち神奈川県児童相談所(中央、小田原、平塚、厚木、鎌倉三浦)、横須賀市児童相談所、相模原市児童相談所、川崎市児童相談所のスーパーバイザークラスの職員、と臨床コアグループの研究者である。児童相談所の職員は、被虐待乳幼児に対して、研究者は定形乳幼児に対してそれぞれASASを行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年5月よりPhaseⅠの後半 CAT-P(ASASを含む)の準備的検討とver.2. 作成のために、被虐待乳幼児と定型発達児20例にCAT-Pを施行する。本年度中にver.2.を開発し、来年度に 被虐待乳幼児50例、定型発達児50例、非虐待臨床例20例に対して、ASAS ver.2.を施行し、その有用性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
短期間の研究に遅れにより、20人のコミュニテイサンプルと20例の虐待サンプルに対するCAT-P施行ができなかった。そのため、同施行に必要な礼金、印刷料、交通費、などの支出が残余した。本年度にそれが行われるため、同残余は本年度で支出される予定である。
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