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2020 年度 実施状況報告書

幼児の生活習慣改善と不登校:昼寝、照明、入浴時刻からの検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K02492
研究機関江戸川大学

研究代表者

福田 一彦  江戸川大学, 社会学部, 教授 (20192726)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード中学生 / 睡眠 / 夜型化 / 住宅照明
研究実績の概要

2018年10月に北海道で起こった胆振東部地震に伴う停電により住宅における照明が使用できなくなった。これに伴い、中学生の就寝時刻がどのように変化したかを調査した。調査対象は北海道東端の浜中町にある霧多布中学校であった。この地区は震源から遠く離れているため、震度は2に留まり、地震そのものによる影響は皆無であったが、北海道全域が停電したため、停電の影響は受けた。また、通信事業者のうちdocomoは即座に回復し、その他の通信事業者の状況も徐々に現状に復帰した。このため、地震の有った次の夜における睡眠の変化は主に停電による人工照明の喪失によるものであると考えられた。普段の就寝時刻22h45m)と地震の次の夜の就寝時刻(21:23)を比較すると1時間半弱(1h22m)前進(早寝)していた。一方で翌朝の起床時刻には統計的な有意差は認められなかった(6h36m vs 6h53m)。結果として睡眠時間は普段と比較して約1時間半(1h38m)増加していた(7h52m vs 9h30m)。停電した夜の睡眠時間である9h30mは米国睡眠財団が提唱する、この年齢の推奨睡眠時間(6-13y: 9-11h, 14-17y: 8-10h)や米国睡眠医学会が提唱する、推奨睡眠時間(13-18y: 8-10h)とほぼ一致する。以上からも日本の住宅の明るすぎる照明環境が子供達の就床時刻に影響を及ぼしていることが示唆される。以上の結果は、2019年の日本睡眠学会で発表し、その後、2020年に日本睡眠学会の機関誌であるSleep and Biological Rhythmsに掲載された(Fukuda et al. Sleep and Biological Rhythms, 2020, 18, 351-4.)。現在、照明の種類と入浴の時刻に関するネット調査を計画中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1次データの取得は終了し、地震と停電(照明の不使用)に関するデータをもとに学会発表と国際誌への掲載も完了しているため。

今後の研究の推進方策

今後は、東京都足立区のデータについても分析と論文化の準備を進めるとともに、新しいネット調査についても推進する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の流行により学会が不開催となったり、オンラインのみでの開催などとなったため、学会旅費などが想定よりもかからなかったため残額が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Changing “white and bright” room light to“dim and umber” one had significant effects on residents’sleep patterns2021

    • 著者名/発表者名
      Fukuda, K., Asaoka, S., Kaki, C., Yokoyama, S., Hirai, K.
    • 雑誌名

      江戸川大学紀要

      巻: 31 ページ: 31-37

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] How the large-scale blackout following the 2018 Hokkaido Eastern Iburi earthquake impacted adolescents’ sleep patterns2020

    • 著者名/発表者名
      Fukuda Kazuhiko、Shibata Yoshinori、Sato Hideki、Okabe Satomi
    • 雑誌名

      Sleep and Biological Rhythms

      巻: 18 ページ: 351~354

    • DOI

      10.1007/s41105-020-00278-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [図書] 毎日しっかり眠って成績を伸ばす 合格睡眠2020

    • 著者名/発表者名
      福田一彦、浅岡章一、山本隆一郎
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      学研プラス
    • ISBN
      978-4053051707
  • [図書] 睡眠学2020

    • 著者名/発表者名
      日本睡眠学会
    • 総ページ数
      712
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4254301205

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公開日: 2021-12-27  

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