「総力戦体制」下の保育雑誌に見る女性専門職の〈技術的動員〉――『保育』誌を中心に

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K02501
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分09030:子ども学および保育学関連
• 研究機関: 中部大学 (2019-2023); 中部学院大学 (2018)
• 研究代表者: 浅野 俊和 中部大学, 現代教育学部, 教授 (00300351)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 雑誌『保育』 / 全日本保育聯盟 / 西村眞琴 / 保育報国（育児報国） / 総力戦体制

研究成果の概要

本研究は、保育・幼児教育史で最も研究が遅れている「総力戦体制」下に焦点を当て、復刻版未刊行の月刊雑誌『保育』（1937（昭和12）年４月創刊、1945（昭和20）年２月終刊、「全日本保育聯盟」編輯・発行、戦後復刊後分（日本図書センターから復刻版が刊行）は除く）の誌面に関する調査・分析を進める一方、他誌との比較・検討も行うことを通して、その当時における保育関係者の〈技術的動員〉の内実へと迫ったものである。

自由記述の分野

現代幼児保育史

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究による成果の学術的意義や社会的意義は、総力戦体制と歩んだ雑誌『保育』を取りあげて、同誌が保育関係者の〈技術的動員〉をどのように謳い、どういった事業や取り組みを推奨したのかへと迫ったことにある。『保育』誌に関する研究は遅れており、今回の研究では、その発行元である「全日本保育聯盟」が、会長の西村眞琴の主導により、同誌に特設した「家庭保育 ちごちご草」欄や「母のページ」枠の内実、1940年前後開催の3つの展覧会を通して行った「保育報国(育児報国)」事業の状況とともに、西村自身の保育・幼児教育論を検討し、先行研究が乏しい総力戦体制下における実態の一端を明らかにした。