本研究は、全国の自治体に対して小規模保育施設における施設認可に関わる基準と現況について調査を実施し、小規模保育事業の取組みの実態と認可プロセス、さらに運営及び諸室・設備基準の現状について明らかにするとともに、小規模保育施設における建築内容と諸室及び設備の内容の現状について明らかにすることで、認可及び設置基準の課題を把握し、今後の保育施設計画のあり方について、その指針に繋がる知見を得る事を目的としたものである。 平成30年には、全国の自治体234件における小規模保育事業制度の現状を探る「第1次調査」、令和元年には、全国の小規模保育施設637件における保育運営および施設の現状を探る「第2次調査」を行った。令和2年以降は、これら2件の調査から得られたデータを分析し、全国の自治体が実施している小規模保育事業制度の実態及び、施設の開設時の整備状況、保育室の平面構成と使い方との関係について研究を進めた。 結果、「第1次調査」では、全国の自治体を対象とした制度の概要と現状のアンケート調査から、全国における小規模保育制度の実態を示した。続いて「第2次調査」では、全国の小規模保育施設に対するアンケート調査を実施し、小規模保育施設における施設の建築内容と保育室の概況を示す事ができた。さらに小規模保育施設の立地状況を把握するため、分析対象施設が立地している周辺環境の地域特性を整理したところ、6つの地域タイプに分類された。また、園外活動の状況と施設周辺の地域資源の利用実態について、その地域の特性や活動圏域、さらには保育活動で利用されている地域資源の数や種類など、小規模保育施設における園外活動の概略を把握する事ができた。 最終年度にはこれらを纏めた論文を執筆し、日本建築学会計画系論文集に査読付き論文として掲載することができた。
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