研究課題/領域番号 |
18K02512
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
入江 慶太 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10508972)
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研究分担者 |
笹川 拓也 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (00413518)
尾崎 公彦 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (40270003)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 病棟保育士 / 専門性 / 養成カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、病棟保育士の専門性を特定するとともに、その専門性を基軸とした新しい病棟保育士養成カリキュラムを開発することである。 平成30年度は、病棟保育士の専門性に関する「量的仮説モデル」の生成を行うこととした。最初に、研究者の論文から病棟保育士の実践報告までを含めた約50本の先行研究から「病棟保育士の専門性に関する項目」を抽出した。その後、予備調査を行うことを通して、46項目からなるアンケート項目を作成した。最終的には、所属大学の倫理委員会の審査・承認を経て、アンケート発送の準備段階まで進めることができた。 また、前述のアンケート項目の選定と今後のカリキュラム開発のために、計5回の学会発表、研究会参加および情報収集を行った。その中で、病棟保育士の専門性が大項目4つ(医療の知識・入院児への保育・保護者支援・他職種連携)と小項目8つ(発達支援・生活援助・受容共感・社会的責任・関係構築・環境構成計画・医療的知識技術・他職種連携)に分けることができる可能性があること分かった。他にも、在宅医療の進展に伴い、医療的ケア児等を中心とした入院児の退院(在宅医療)を見据えた保育士の関わりがいかにあるべきか、これからの病棟保育士の専門性やその養成カリキュラムに問われていることが明らかとなった。 特に後者は、平成30年12月に成育基本法が制定したことが大きな影響しているため、新しい法律に沿ったこれからの施策に着目し、入院児を取り巻く環境の変化を捉え、それらに対応できる養成カリキュラムの開発を行う必要があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度は、病棟保育士の専門性に関する「量的仮説モデル」の生成するところまで進む予定であったが、アンケート作成(主としてアンケート項目の選定)において、本研究に大きな影響を与えると考えられる成育基本法が平成30年12月に可決成立し、その内容を吟味し、熟考を重ねてアンケート項目を選定したため、所属大学の倫理委員会への提出が遅くなったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成31年度(令和元年度)の上半期内で、病棟保育士の専門性に関するアンケート調査を実施し、分析した結果をもとに「量的仮説モデル」を生成する。また、下半期内で、当初予定している「5年以上の勤務経験のある病棟保育士約10名」へのインタビュー調査を行い、「質的生成モデル」を作成する。年度末には「量的生成モデル」「質的生成モデル」を相互に検証し、複数の病棟保育士にも確認を進めながら、病棟保育士の専門性の特定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度内に実施予定のアンケート調査の実施を、先述の理由から、平成31年(令和元年)度に変更したため、アンケートの郵送代分(約45万円)が次年度使用額として生じた。 平成31年(令和元年)度以降は、先述のアンケートの郵送費(約45万円)の執行と、約10名の病棟保育士へのインタビュー調査の旅費及び学会出張経費(約50万円)、関連図書等の設備備品費(約20万円)、インタビューデータ入力等の人件費・謝金(約30万円)等を本研究にかかる経費として使用していく予定である。
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