研究課題/領域番号 |
18K02514
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
倉内 紀子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (60320488)
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研究分担者 |
松山 光生 九州保健福祉大学, 保健科学部, 准教授 (90389586)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アセスメント / 保護者支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、研究代表者らが開発した「延岡式得手不得手チェックシート」によるアセスメントの結果を発達障害リスク児の保護者にフィードバックするための保護者用フィードバックシートを考案し、保護者支援に資するツールとして、iPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用を開発することである。 ①保育者、及び保護者を対象とした「延岡式得手不得手チェックシート」によるアセスメントの実施;宮崎県、徳島県、和歌山県の保育所4カ所、幼稚園1カ所の5歳児クラスの保育者、及び保護者を対象に「延岡式得手不得手チェックシート」を実施した。②開発済みの保育者用フィードバックシートに関する保育者へのアンケート調査;「延岡式得手不得手チェックシート」の結果について、開発済みの保育者用フィードバックシートを用いて保育者にフィードバックを行い、図(レーダーチャート)、用語を理解できたかについて4件法(1~4)で無記名のアンケート調査を行った。保育者13名より回答が得られた。図については3.3、用語については3.0~3.3で「わかりやすい」が多かった。用語のうち「向社会性」が3.0と最も低い結果であった。③保護者用フィードバックシートの作成と保護者へのアンケート調査;②の結果をふまえて、平易なことばを用いた保護者用フィードバックシートを新たに作成した。作成した保護者用フィードバックシートを用いて保護者に文書によるフィードバックを行い、図、用語を理解できたかについて4件法で無記名のアンケート調査を行った。保護者138名より回答が得られた。図については2.7、用語については2.8~3.07で保育者より低い結果であった。用語のうち「振る舞い」が2.8と最も低い結果であった。④iPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用の開発;iPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用(試作版)を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画では、iPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用の開発は平成31~32年度に行う予定であったが、開発に時間がかかることが予想されたため、試作版を平成30年度内に開発した。その作業が入ったため、平成30年度に予定されていた要支援児の保育者と保護者のペアマッチング、及び保育者から保護者への口頭によるフィードバックは、平成31年度に実施することとした。全体としては、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
①保護者へのアンケート調査結果の分析;平成30年度に実施した保護者用フィードバックシートに関するアンケート調査結果のうち、自由記述について分析を行う。 ②要支援児の保育者と保護者のペアマッチング、及び保育者から保護者への口頭によるフィードバック;総合支援得点19点以上の要支援児について、保育者と保護者のペアマッチングを行い一致度を検討する。また、保育者用フィードバックシートと保護者用フィードバックシートの2種類を用いて、保育者が保護者に口頭でフィードバックを行い、どちらが説明しやすいかについて保育者を対象にアンケート調査を行う。 ③iPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用(試作版)の機能拡張;宮崎県の保育所2カ所で、保護者の了解の得られた要支援児を対象に保育巡回相談を実施し、平成30年度に開発したiPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用(試作版)の検証を行うとともに、不具合について修正するなど改良や機能拡張を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度に作成した、iPad版「延岡式得手不得手チェックシート」保護者用(試作版)の検証を行うとともに、不具合について修正するなど改良や機能拡張を行うための費用として必要である。
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