研究課題/領域番号 |
18K02515
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
丹羽 孝 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (10113325)
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研究分担者 |
韓 在熙 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50619400)
新井 美保子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60189975)
大村 眞依子 (渡邉眞依子) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (60535285) [辞退]
矢藤 誠慈郎 和洋女子大学, 人文学部, 教授 (70259571)
永井 靖人 愛知みずほ短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (80551556)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヌリ課程改訂 / 幼児中心 / 遊び中心 / 遊びと学び / 保育教師養成制度 / 保育教師養成教育課程 / 第三者評価 / 標準保育課程 |
研究実績の概要 |
1.学会報告としては2020年5月開催の日本保育学会第73回大会で「保育者養成教育課程に関する日韓比較研究」を報告した。本研究の内容は幼稚園教師及び保育士養成教育課程に焦点を当てて、韓国における保育者養成に係る制度の概要と養成教育課程の内容について明らかにした。その上で日本における保育者養成教育制度及び養成教育課程との差異点について比較考察した。この研究主題に係る先行研究はほとんどなく、韓国における保育者養成制度と教育課程の内容と特徴を明らかにした点で意義がある。 2.紀要論文としては『愛知教育大学教職キャリアセンター紀要』第6号に「遊び中心幼児教育課程に関する日韓比較研究」というう主題で、2019年7月に改訂/告示された韓国の国家水準幼保共通教育課程の中心的な特徴の一つである「幼児中心・遊び中心」の保育哲学に注目し研究した。幼児教育における遊び活動の重視は日本でも同様であるが、今回の2019改定ヌリ課程は遊び中心の保育実践の展開をとても強く強調していることが、大きな特徴である。私たちはこのような韓国幼児教育/保育における「遊び中心」の保育哲学が具体的にどの様な内容で、どの様な特徴を持っているかを明らかにし、併せて日本における遊び保育論との差異点を考察した。尚2019改訂ヌリ課程に係る現場教師支援資料として『2019改訂ヌリ課程解説書』、『2019改定ヌリ課程遊び理解資料』、『2019改訂ヌリ課程遊び実行資料』が教育部・保健福祉部から公刊されているが、本論文ではそれら政府支援資料の内容と特徴について明らかにした。 3.2019改訂ヌリ課程関連資料の蒐集と翻訳を行った。その内容の一部では本研究に必要な上記(2)の政府支援資料及び韓国における遊び保育研究文献の翻訳を行い、基礎資料として活用した。要請があればこの基礎資料の提供が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は現時点での韓国における幼児教育/保育政策における主要課題である国家水準幼保共通教育課程改訂過程と内容、及び保育の質にかかる主要要因の一つである保育者養成制度に焦点を当ててきた。そしてこれに関わっては2018,2019年度に現地訪問し、多くの資料/情報収集を行った。しかるに昨年度からコロナ問題の影響で、韓国における訪問調査が不可能となった。 本研究は基本的に現地訪問調査による研究活動を特色としているにもかかわらず、韓国訪問ができない事による研究資料/情報/研究者等との交流の不足が、決定的に本研究の進行を遅延させている。
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今後の研究の推進方策 |
1.本研究はコロナの影響によって、1年間の期間延長を認めて戴いた。そこで本年度は昨年度に実行できなかった二つの課題(韓国教員大学校の幼児教師養成制度を素材として、韓国における保育者(幼稚園教師、オリニジップ教師)養成教育の訪問調査、遊び保育の哲学、内容、実際に関する日韓国際シンポジウムを開催し、併せて日本及び韓国の専門研究者達との研究交流を、状況を見ながら実現し、実りある研究成果を得たいと考えている。 2.韓国訪問による現地調査 2019改定ヌリ課程の研究については、政府水準及び学会水準の基本的な研究は終えることができた。しかし、2019改定ヌリ課程がソウルを始めとする主要都市、及び地方水準の幼稚園やオリニジップでどの様に受容され、展開されているかを明らかにする必要がある。この課題について、訪韓が許可されるのを待って即時対応し、有意味な研究成果を獲得する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は世界的なコロナウイルス感染症による海外渡航の禁止により、韓国における現地訪問調査が不可能となった。また、予定していた日韓国際シンポジウムについても韓国からの招聘が不可能となった。また国内でも移動制限、緊急事態制限等の規制により国際シンポジウムの開催ができなかった。した下ってこの計画で予定していた予算計画が執行できなかったので、次年度繰越とな93万8千393円である。
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