研究課題/領域番号 |
18K02517
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐野 比呂己 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60455699)
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研究分担者 |
菅原 利晃 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20826250)
花坂 歩 大分大学, 教育学部, 准教授 (20732358)
本橋 幸康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80386549)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 柳田国男 / 増淵恒吉 / 国語科教材 / 高大連携 / 随筆 / 昭和30年代 |
研究実績の概要 |
本年度は、柳田国語科教科書所収教材から「紙」(幸田文)を分析、考察した。また、柳田教科書所収教材の中から「浅春随筆」(栃内吉彦)を中心に、研究分担者である高等学校教員との連携により高等学校国語教室での実践を行った。実践に取り組むに際し、事前に日程打ち合わせ、教材研究会を行い、授業後には実践検討会を行った。実践報告から、教材としての有用性、問題点を抽出し、教材価値の検討を行った。時代は経過しても現代の高校生の国語教室において価値ある教材であるという共通認識を持った。研究組織全体で集まり、事務打ち合わせ、教材研究、実践研究等の交流を通し、個々が本研究の意義、重要性を共有できたことは、今後、研究を推進する基盤となるものである。加えて、柳田国男の著作からアイヌ文化に関わる記述に着目し、多文化共生社会の構築の視座から、研究チーム全体で学習会を行い、専門的知識の共有を図った。柳田がどのような意図を持って、教材選択に至ったのかを精査すべきであり、そのためには柳田の思想そのものを理解し、そこと関連づけながら考察する必要がある。多文化共生社会の視座を据えることにより、柳田国語科教科書所収教材の現代的意義を提示する前提となるものである。研究チーム全体で共有を図ることができたのは大きな成果である。 今年度の研究成果は、学術雑誌に投稿し、計3本の論文が掲載されるに至った。また、高大連携により取り組んだ「浅春随筆」の実践研究報告についても学術雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学術雑誌に投稿し、計3本の論文が掲載されるに至った。 「紙」については研究の見通しをつけることができた。 柳田国男の著作から多文化共生社会の構築に関わる部分ついて、研究チーム全体で学習会を行い、専門的知識を共有した。 高大連携により取り組んだ「浅春随筆」の実践研究報告についても研究成果報告に掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
柳田教科書所収教材である「紙」(幸田文)を分析、考察を継続する。 昭和30年代の授業記録である増淵恒吉の「大蛇・小蛇」(片山広子)の実践について検討を加える。 「地図をいろどる」(鏑木清方)を取り上げ、現代の高等学校国語教室において実践研究に取り組む。その有用性と問題点を抽出し、教材価値を検討する。加えて「大蛇・小蛇」(片山広子)の実践についても再度精査する予定である。 資料調査、学会発表、研究協力者との協議に際し、旅費を使用する。 また、事務作業、資料の整備等に謝金を使用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、事務補助の適任者が不在であり、謝金が発生しなかった。
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