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2022 年度 実施状況報告書

家庭科教員の自主的研修組織の実態解明と支援に関する研究ー家教連を対象として

研究課題

研究課題/領域番号 18K02525
研究機関京都教育大学

研究代表者

井上 えり子  京都教育大学, 教育学部, 教授 (90314567)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード自主的研修組織 / 家庭科教育研究者連盟 / 男女共修家庭科 / 家庭科
研究実績の概要

コロナ禍のため2022年度より研究方法を変更し、1970年代に京都府立高校で高校家庭科の男女共修運動を牽引した森幸枝の所蔵資料の分析を行った。主として、森の思想や活動に影響を与えた文献の分析および森の著作の整理と内容分析を行った。森は1968年に家庭科教育研究者連盟(家教連)に加入し、森らが1962年から行っていた家庭科京都サークルは1971年に家教連京都サークルとなり、京都の共修家庭科を支える役割を果たした。自主的研修組織である家教連京都サークルがもっとも活発に活動したのは1970年代から1980年代である。共修家庭科という目標が明確であり、当時の文部省がそれを認めていない中で、サークルで、研究および実践を重ねるしか方法がなかったからである。森の蔵書や著作の分析からは、共修家庭科を実現するための理論的学習や授業実践および啓発活動の軌跡が読み取れる。1990年代には共修家庭科が実現したことから、家教連京都サークルの活動も縮小していく。
このことから、自主的研修組織が必要とされる条件は、1研修活動の目的が明確であること、2その目的は教育的に重要な価値があるにもかかわらず、公的機関が認めていないことの2点であることが明らかとなった。
今後、自主的研修組織が活動を継続していくためには、活動の目的が明確であること、その目的が教育的に重要な価値があるにもかかわらず、文部科学省などの公的機関に取り入れられていないことなどの条件が必要であると考える。家教連京都サークルは前述のように1962年から活動を開始したが、2022年8月に活動を終了した。60年間もの長きに渡って活動を行ったが、加入者の減少、特に現職教員の参加が減少したことから活動終了となった。このように、教職員組合の教研活動から生まれ、1960年代から1980年代に活動のピークを迎えた自主的研修組織の継続は極めて難しい状況にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍のため、研究方法を変更したため。

今後の研究の推進方策

森幸枝の資料分析を継続する方向で進めている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、研究手法を変更したため。森幸枝の所蔵資料のうち、森の講演記録の整理と分析のために使用する予定である。資料の分析のためには、講演記録の転記などの処理が必要であり、助成金はそのための人件費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 森幸枝と京都府立高校における男女共修家庭科ー森幸枝所蔵の書籍等資料の分析ー2023

    • 著者名/発表者名
      井上 えり子 杉本佳子
    • 雑誌名

      教職キャリア高度化センター教育実践研究紀要

      巻: 5 ページ: 109-118

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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