本研究は、様々なメディアが普及浸透する今日の教育現場において、美術教育における映像メディア表現の扱いに関する理論と実技指導方法の構築を目指すものである。 本年度は、前年度に引き続き中学生を対象に映像メディア表現題材を研究協力者と共に実践し、参与観察から指導方法を検討し、以下3題材についてまとめ発表した。①ストップモーション・アニメーション:特定非営利活動法人アート知っとく会主催第21回ミーティング(11/23)において、映像メディア表現を通して獲得されるものの見方、指導のポイントを整理し発表した。(法人Webサイトに記録有)また、昨年度ベトナムで実施した映像メディア授業を『美術科研究』38号で発表した。②自画像トランジション:『教科教育学論集』第19号に、映像メディア表現題材において、個性や感情を表す媒体としての作品の見取り、制作過程の学習者の判断の場と内容、指導のポイントを明示した。③クロマキー合成:他の映像制作に応用できる技能として取り上げ、表現を通して獲得されるものの見方、指導のポイント、ICT機器を使用の指導者の心構えについて論文にまとめた。本論は、2021年度『美術科研究』39号に発表予定である。 諸外国のメディア題材事例収集においては、コロナの影響により海外渡航はできなかったが、これまで交流を行ってきたインドのシブナダ―学校と附属中学校とのビデオ交流の可能性を探り、シブナダ―学校の芸術祭KAAFILAに映像で参加する取り組みを実現させた。インドの学校は再開できない状況であったが、表現と学びの機会を守るためオンラインでの芸術祭を試みたものであった。附属学校から送った中学3年生を中心とした応援団のパフォーマンス映像は、オープニングセレモニーの中で紹介され生徒同士交流を図った。(https://www.youtube.com/watch?v=PVtQnwfVfSU)
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